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2019年4月に発表された「THE大学インパクトランキング2019」は、世界の大学が社会課題にどう取り組んでいるかを、SDGs の枠組みを使ってランクづけしたものです。子どもたちにとっては、将来社会とどう関わりたいかを描き、その実現に役立つ学びの場を見つけるという、進路選択の新たな視点となりそうです。その注目ポイントをレポートします。

※SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、国連のSustainable Development Goals「持続可能な開発目標」のこと。17の目標(SDG)から成る。

※SDGs の詳細はこちらへ⇒「サステナブルとは」

持続可能な世界の実現に向けて、大学の取り組みを評価する

社会の変化が今まで以上に早い時代を生きる子どもたちにとって、何を基準に大学を選べばよいのか、ネームバリューだけを頼りにしてよいのかという疑問は、多くの人が感じているのではないでしょうか。
「THE大学インパクトランキング2019(以下、インパクトランキング)」は、イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(以下、THE)」が2019年4月3日に発表した、社会貢献度を軸にする初の大学ランキングです。国連のSDGs(持続可能な世界を実現するために達成すべき17の目標)のうち、大学と関係の深い11の目標に関する取り組みを指標化しています。ベネッセグループはTHEの日本における事業パートナーとして、日本の大学のエントリーをサポートするなどの協力を行いました。

インパクトランキングの対象となる SDGs は?

このランキングの特徴は、社会を変えていく影響力を持つ取り組み、特に、地球規模の課題解決に貢献する大学に光を当てていることです。総合ランキング1位はニュージーランドのオークランド大学で、国・地域別のトップ10ランクイン数はカナダの3校が最多と、イギリスやアメリカが上位を独占する研究重視のランキングとは大きく異なる結果となっています。

産業社会への貢献に関心が高い日本の大学

インパクトランキングの発表会場で取材した柴田聡子(㈱進研アド/ベネッセグループ)によると、
「インパクトランキングにエントリーした日本の大学は、国別では最多の52大学にのぼりました。都市部の大規模大学だけでなく、地域社会に根づいた活動をする地方大学のランクインも見られました。」

「THE 大学インパクトランキング 2019」日本のランクイン校例
ランキング結果をもとに、各項目の100位内かつ日本の上位3校までをまとめた。<SDG 5>は該当なし。

特に、<SDG9イノベーション(産業と技術革新の基盤をつくろう)>では20位以内に3校がランクインしています。
また<SDG12生産・消費(つくる責任つかう責任)>の100位内には11校がランクインし、プラスチック製品の使用抑制、廃棄物の排出抑制、リサイクル等、持続可能な消費行動に対する日本の大学の関心の高さがうかがえます。

多様な観点と世界視野で進路を考えてみる

柴田「日本には800近くもの大学がありますが、志望校選択に際して、それほど具体的な教育の中味を知らぬまま決めるケースもあるようです。大学の役割は今、研究や学生への教育はもちろん、地元・コミュニティ・国、そして世界の課題解決に貢献することが期待されています。ランキングを単なる順位づけととらえずに、『社会貢献』という視点で国内外の大学を見てみると、将来の選択肢も広がるのではないでしょうか。」

今は、保護者世代の多くが体験した「大学合格がゴール」の志望校選択から、大学で身につける知識や経験を、日本のみならず世界でどう活かすかが問われる時代へと変わりつつあります。

柴田「発表に際し、THEのダンカン・ロス氏が『すべての取り組みが好事例であり、今までで一番、誇りを感じたランキングだ』と熱く語っていたように、今回は、初めてベトナムの大学がランキングに登場したり、小・中学校教員の再教育などを行うマレーシアの大学が2位に入るなど、開発途上にある国の大学が社会に大きく貢献している点にも注目が集まりました。
小学校から高校まで、探究学習でサステナビリティやSDGs を取り上げる学校も増えつつあります。保護者の方にもこういった評価軸があることを知っていただき、お子さまが自分に合う大学を多様な観点で選び、どれだけ可能性を伸ばせるかを話す材料にしていただければと思います。」

持続性ある社会をつくっていく子どもたちが納得いく進路選択をするために、ベネッセは今後も、学校の特色を時代に沿った観点で見る先進的な試みをキャッチアップしていきます。

発表の様子
発表の様子。THEのデータ解析責任者ダンカン・ロス氏から上位結果と注目トピックスが伝えられた。 他のランキングとは異なる大学の顔ぶれに、会場も沸いた

情報協力

レポート協力

柴田聡子(しばた さとこ)
㈱ベネッセコーポレーション入社時から大学営業を担当したのち、他社で12年間の海外勤務などを経験。今は㈱進研アド(ベネッセグループ)で「THE世界大学ランキング日本版」に携わる。

情報協力

「THE世界大学ランキング日本版」
https://japanuniversityrankings.jp/
⇒大学の社会貢献度がわかる!THE University Impact Rankingsって何?(画像提供元)
https://japanuniversityrankings.jp/topics/00083/index.html

「Between 情報サイト」
http://between.shinken-ad.co.jp/
⇒社会貢献を軸にした「THE大学インパクトランキング」で日本の大学が存在感発揮(ランキング結果)
http://between.shinken-ad.co.jp/univ/2019/04/ImpactRanking.html