女性向けの生活情報誌やWebサイトを運営するベネッセコーポレーションのメディア『サンキュ!』は、2020年4月に読者やユーザーたちと一緒に取り組む<SDGsの企画コーナー>をWebで開設、誌面でもその連載をスタートしました。SDGsの認知は企業関係者や子どもたちにひろがる一方、一般家庭での具体的なアクションはいまだ少ないとされる中、「行動する女性たち」と一緒に、SDGsへの意識付けや具体的なアクションを生み出そうする、新たな試みについてご紹介します。

積極的に行動し、影響力をもつ女性たちが中心となって、SDGsに対するアクションを自ら考え、主体的に発信していく

今年で雑誌創刊から24周年を迎える『サンキュ!』は、読者である既婚女性の気持ちの変化に寄り添った提案を続け、雑誌不況と言われる中で市販女性誌No.1(※)となる部数の雑誌、そして毎月約500万人の読者に支持されるWebサイトを作り上げてきました。その『サンキュ!』が誌面とWebでスタートした企画コーナーが、「Find Our SDGs:サンキュ!とはじめる 地球のために今日から親子でできること」です。

親子でSDGsを考えるきっかけになるテーマを毎月『サンキュ!』が設定し、『サンキュ!』のファンを中心としたインフルエンサーの女性たちに伝えます。その内容に賛同したかたたちが、今度はテーマに沿ったアクションを自ら考え、SNS等で発信を行う、という企画です。

これまでに「食品ロス」や「リサイクル」といったテーマで、世界が抱える課題を取り上げ、それに対するアクションの呼びかけを行ってきた。

※日本ABC協会発行「ABC REPORT 雑誌 発行社レポート2019.7~12」掲載データより「女性誌」に区分される雑誌の書店・コンビニエンスストア等での2019年7~12月の平均販売部数の比較。定期購読誌を除く。

「始めてくれてありがとう!」、子どもと一緒に、みんなで考えて。日常生活で取り組めるアクションが多数投稿されている

現在、Webの同コーナーのページやSNSには、多くのサンキュ!インフルエンサーの女性たちによる「#サンキュSDGs部」がついた投稿が多数見て取れます。

実際に投稿された画像より。次の投稿・記事より転載( https://www.instagram.com/p/B_gcyWYhcGx/, https://39mag.benesse.ne.jp/lifestyle/content/?id=73965)。

例えば、過去に食品スーパーで働いた経験から、「毎日売れ残りのお惣菜や賞味期限切れの商品が大量に廃棄されている現実を知りました」というmiokoさんは、家庭でできる食品使いきりパーティーを開催。親子で一緒に楽しんだそう。
「捨てるのはもったいないし、申し訳ない。子どもと一緒に“こう使えば捨てずに済むね”、と話しました。以前から興味のあった食品ロス問題に(この企画をきっかけとして)関わることができてうれしいです」(miokoさん)

また、『サンキュ!』の読者モデルでもある、のんすけさんは「食品ロスゼロチャレンジ」をテーマに同じ読者モデルのメンバーたちとのオンライントークを自主的に開催。みんなで話した内容やアイデアをまとめてSNSでの発信をしています。
「節約のため、(当時の新型コロナ感染症対策による)自粛のためはもちろんですが、それが地球のためにもなるという視点。とても素敵だし、より気持ちよく実践できるなと思います」(のんすけさん)

『サンキュ!』発のSDGs企画を立ち上げた、編集長の飯塚真希(いいつか まき/ベネッセコーポレーション Kids&Family事業本部)に、スタート後の反響について聞いてみました。

「初めて『サンキュ!』からSDGs企画のお知らせをした時、“始めてくれてありがとう!待っていました”という声が届いたのがとても印象的でした。その後も、感度の高いかたたちを中心とした、日常の中で行える具体的なアクションの投稿が続々とあがり、手応えを感じています」

「社会に貢献をしたい、子どもに見本を示したい」子どもの未来を家庭で創る母親たちの意識を可視化し、アクションを拡げていきたい

さらに、この企画を始めたきっかけ、そして今後への展望について次のように語りました。

「SDGsについて、言葉としてはひろがりつつも、今は一部の企業や投資家などの注目が中心。生活の中に本当にSDGsが根づいていくのは難しい、という課題がある中で、このテーマこそメディアである『サンキュ!』が担い、SDGsに貢献ができるのではないか、と考えたのがスタートでした」

「『サンキュ!』読者の長子の平均年齢は約10歳。SDGsが掲げるターゲットの2030年にちょうど成人を迎える世代です。子どもたちが学校でSDGsを学んでくる姿を見て、『サンキュ!』読者の母親たちの多くが“社会に貢献をしたい、子どもに見本を示したい”と考えていることを感じていました。そもそも、SDGsという言葉が誕生する前から、『サンキュ!』には節約やエコといった、今でいう“エシカル消費”に通じるようなコンテンツがあふれていました」

「家庭をもつ女性たちは、SDGsや食品ロス、という名前がなくとも、子どもの未来を考え、日常である家事や育児を通して消費への意識がきわめて高くなっています。そうしたかたたちに、『サンキュ!』が改めてその意識を可視化する取り組みを行うことで、より使命感をもって自ら考え、アクションが生まれていくのではないか。『サンキュ!』は既婚女性向けのメディアですが、彼女たちの後ろには子どもがいて、夫など家族がいます。ともすれば難しい言葉になりがちなSDGsのアクションを、子どもたちにとってわかりやすい言葉で発信をすることができるのは彼女たちならでは。社会の最小単位である家族の中心にいる彼女たちの行動によって具体的な動きや共感がひろがれば、社会や未来が変わる。その後押しとなるような取り組みを『サンキュ!』として続けていきたいと思います」

これからも、『サンキュ!』は読者・ユーザーの女性たちと一緒に、SDGsが掲げる課題への一助となる挑戦を続けていきます。

情報協力

飯塚真希

株式会社ベネッセコーポレーション

サンキュ!編集長 飯塚真希

生活情報誌の編集を経て「サンキュ!」編集部へ。姉妹誌、食育雑誌等を経て、17年より現職。取材で訪問した一般家庭は延べ1,000件以上。

・サンキュ!

https://39mag.benesse.ne.jp/

・サンキュ!とはじめる 地球のために今日から親子でできること

https://39mag.benesse.ne.jp/theme/sdgs/