あなたが社会にでる頃のミライは、今とはずいぶん違う社会になっているでしょう。
進研ゼミ高校講座の「ミライをつくるラボ」は、そんな不確定な将来に向けて、高校生のあなたが自分の力でワクワクできる進路や人生を切り拓ける力をつけてもらうための研究所。
そして今回「ミライをつくるラボ」から、投資のプロ「藤村さん」が高校生のあなたに伝えておきたい「人生を豊かにするお金と進路の話」を5回にわたってお届けします。
高校時代の藤村さんは、投資にも経済にもまったく興味はなく、テニス部で先輩に怒られておびえていたのが一番の思い出とおっしゃっていました。
そんな藤村さんでも、気が付けば30年以上投資の仕事をしているとのことでした。
藤村さんの仕事を簡単にいうと、投資運用会社でミライの社会を良くしてくれそうな企業に投資して、資金面から事業の成功を応援していくこと。
藤村さんの「仕事内容」や「投資」についてもっと知りたい人はこちらの記事も読んで下さい。
「投資」については、高校1年生なら高校の家庭科の時間資産形成の手段の1つとして習ったり、公共・現代社会で経済を習うときに登場したりで、知っているかもしれません。
これからの社会では、貯蓄や投資などで将来のより良い人生のためにお金の準備しておくことが大事と言われています。
投資のプロである藤村さんのお話は、高校生のあなたがこれからの豊かな人生を送るために一生役立つ知識となるでしょう。
なお、シリーズ前半では資産形成に役立つお金の知識と進路の話、後半では銀行や証券会社、保険会社などお金に関係する進路にも役立つお話となっています。
ではさっそく第1回目を始めましょう。
お金を追いかけることは人生の目的ではない
――さて資産形成に興味のある高校生に、今から知っておくべき大切な心得といえばまず何でしょうか?
投資の仕事をしている私が言うのもなんですが、「お金は人生の中心ではない」ということをまず知っておいてほしいと思います。
これはお金や投資が人生や生活の中心にならないようにしよう、という意味です。
高校生のみなさんにこれだけはしっかり伝えておきたいとずっと思っていました。
投資を通してお金を増やしておくのは、本来将来の生活のためだったり、日常生活や人生をよりよく過ごしたりするためのはずです。
それなのに毎日、お金のことばかり考えていると、大事な人生を無駄にしてしまいます。
もちろん高校生のなかには、私達のように世の中に流れるお金の動きを見るのが面白くてとことんやってみたい人はいるでしょう。
そういう人たちには、たくさん勉強してもらってもかまいません。
でもそのほかの、おそらく大勢の人たちにはそれぞれ、アートをやりたい、教育をやりたい、科学をやりたい...など、自分がやりがいや面白さを感じることがあるはず。
そのことに人生の時間を使ってほしいのです。
もしも世の中、その人たちまでが日々株価や金利ばかり見るようになれば、社会が回りませんし、つまらない社会になってしまうと、私は思うのです。
もちろん投資の知識を学んで、自分のお金を投資信託に預けて増やそう、と思うこと自体はいいことです。
どのように投資とつきあえばいい?
じゃあどのように投資とつきあえばいいのか、それは長期の「預けっぱなし」です。
今、あなたに余裕のお金が10万円あるとします。
これだと思った投資信託などにお金を預けたら、そのまま10年間ぐらい預けっぱなしにしたほうがいいと思うのです。
つまり、毎日株価の動きを「上がった」「下がった」とチェックするのをやめて、自分で3か月に一度程度、もっといえば1年や2年に一度ぐらいは値動きを確認する(あまりにも予想と違っていないかなどチェック)といったやり方です。
そしてふだんは「私はあそこに10万円あるから何かあったら使えるなあ」という気持ちの余裕をもって、日常の人生を大切に歩んでほしいのです。
実は若い人ほど10年、20年、30年と長い期間預けっぱなし投資ができますし、その方資産を大きく増やせる可能性があります。
長期投資のメリットについては、大事なことなのでまた2回目、3回目の記事でくわしくお伝えしましょう。
いい職業についてしっかり収入を得ることのほうが大事
――投資に特別に興味のある人以外は、日常生活を大事にした方が充実した面白い人生になるということですね。将来豊かに暮らすには高校時代、何を意識して過ごせばいいでしょうか?
実は、投資などでお金をもうけることに一生懸命になるよりも、いい職業についてしっかり収入を得ることの方がずっと大事です。それを意識した方がいいです。
「いい職業」、というのは、単に高収入の仕事という意味ではありません。
自分が情熱をもって取り組める、多くの人に役立つ仕事や、喜ばれる仕事という意味です。
一般的に大手銀行や証券会社、保険会社などの金融業界の仕事は高収入、というイメージがあると思います。
そのため金融業界に入りたいという人の志望動機は、業界の仕事内容より、「単に他の業界より給料が高そうから」である場合が多い印象です。
これは金融業界に限らずですが、給料が高い仕事には、それだけ仕事がハードなど、それなりのリスクがつきものです。
高いリターンを望むならその分、高いリスクをとることも考えないといけません。
これは仕事選びだけでなく、投資も同じですね。
自分は将来、何の専門家になって社会の役に立つかを考えよう!
――高収入だけを目的に進路を考えないほうがよさそうですね。では最後に高校生へ、大学での専攻や進路選びについてのアドバイスをお願いします。
私はこれまで高校生のみなさんに、ミライの社会で活躍できる注目の分野は、多くの人を感動させる分野や、多くの人の役に立つ分野だと話してきました。
大学で専攻する学問や将来の職業を考えるときには、自分が将来、人を喜ばせたり、役に立ったりできるのはどの分野かを考えて、その中で自分が面白いと思える分野を選べば、社会で活躍できて豊かな人生になると思います。
みんなでいいミライの社会を作っていきましょう。
まとめ:インタビューを終えて
いまからお金や投資の勉強をするのはいいことだけど、お金を増やすことが人生の目的や中心にならないように気をつけたいですね。
高校時代に最も大事な投資は、目の前の勉強や資格取得や部活、読書、習いごと探究活動などの、「自己投資」と言えるかもしれません。
次回はお金を増やすことに興味があるなら絶対知っておくべき「うまい話にだまされないための基本知識」を藤村さんにうかがいます。
お楽しみに!
<この記事を書いた人>
ライター 長谷川ヨスコ
<協力>スパークス・グループ株式会社
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。