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探究レポート No.1117

一次選考

テーマ 理数

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タイトル
蜘蛛毒の効能
設定課題
ジョロウグモの毒の効果やその効果範囲、また蜘蛛に噛まれたときの対処法

課題を設定した理由

私は、幼少期から蜘蛛が好きで、蜘蛛を見かけたら巣をつついてみたり写真で撮ったり観察をしていたため興味があった。調べてみると、ジョロウグモは毒があるらしいので驚き、調べてみようと思った。すると蜘蛛毒には種類が多くあり、それぞれ効果が違うとわかった。特に私達の身近にいるジョロウグモは、虫にとっては猛毒だが、人間にとっては毒ではないという。さらにある論文によると認知症や脳虚血を解明しうるものらしいので、この毒の効能を調べることで、認知症や脳虚血を治せると考えた。

アピールポイント

この探究は蜘蛛毒、特にジョロウグモのが持つ毒について探究しました。ジョロウグモの生態や、この毒がもつ特性などをわかりやすく説明してあります。さらにこの毒にはある病気を治す可能性があるらしいです。最後には蜘蛛に噛まれたときの対処法について説明してあります。

研究方法

材料はジョロウグモ(の毒)、毒を与える虫、動物(アリ、バッタ、トンボ、カエル、トカゲなど)で道具は、ピンセット、トレイ、立体顕微鏡を使い実験する。方法としてはまず、ジョロウグモから毒を抽出する。抽出するときには立体顕微鏡を使い解剖して毒腺を取り出す。そこからJSTX-3を取り出します。次に、様々な虫や動物に垂らしたり、注入する。生き物は死んでいたらだめなので生きたまま毒を入れる。最後にその結果から表を作る。具体的にはスプレッドシートでそれぞれの生き物がどのような反応をしたかを記録、整理する。

結果

ジョロウグモから毒を取ろうとしたが、本体が小さすぎて抽出できなかった。しかし、他の論文で調べて、自分なりにまとめて考察してみた。JSTX-3はグルタミン酸による神経伝達物質のみを強力に遮断する。すなわち、麻痺のような症状があらわれる。よって、蚊の幼虫に対しては殺虫作用があり、ゴキブリに対しては約120分間麻痺のような作用があった。この毒は、哺乳類にもこの毒は効き、さらに、認知症や脳虚血はともにグルタミン酸の過剰分泌が原因であるため、人間にとってはこの毒が、認知症や脳虚血の解明の糸口になるものであった。

課題に対する答え

ジョロウグモの毒が具体的にどのような効果があるのかについては、体格差はあるが、蚊は殺虫作用、カエル、ゴキブリ、哺乳類は短時間麻痺、その効果がどの生物までなら効くのかについては、効果範囲は量によるが、1匹だともっとも効果的に効力を発揮するのは、カエルやトカゲの大きさまでであった。噛まれたときの対処法としては、噛まれたところをしっかり洗う、保冷剤などで冷やす、脚か腕を噛まれたときは、噛まれたところを高い位置に上げ、しっかり縛る。すると、だいたいの場合3、4日くらいで治る。また、脚や腕を噛まれた場合、ステロイド系の薬を塗る、アスピリンを飲むと治る。