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最近、塩素系洗剤に酢酸を誤って混ぜてしまい塩素ガスが発生したという事故がありました。「混ぜるな危険」を混ぜると、塩素ガスが発生することは知っていたが、身近な洗剤や食品などの「混ぜるな危険」と書かれていないものを混ぜても塩素ガスが発生するということを知りました。私たちは、実験をし、何を混ぜるとどれくらいの塩素ガスが発生しどれほど危険なのかを調べ、多くの人々の身を守りたいと思いこの課題を設定しました。
一般的には知られていないところで塩素ガスが発生!?実はあの調味料でも発生の可能性が…
あなたの近くでも塩素ガスによる危険があるかもしれません!私たちは日常生活で起こってしまう塩素ガスの事故を防ぐため、高校化学で習った知識を使って実験し、事故の原因を見つけます!!
学校の化学実験室で先生監修のもと、キッチンハイター(次亜塩素酸酸ナトリウム)と日常的に使うクエン酸洗剤、レモンの汁、食酢、炭酸飲料、中性洗剤、重曹を混ぜ塩素ガスが発生するのか実験しました。集気瓶に史料を混ぜ、まず液体を混ぜた集気瓶の中で塩素を発生させ着色したろ紙の漂白で確認し、ヨウ化カリウムデンプン溶液の反応により色の変化により発生量を比較しました。次に発生した塩素の定量を行うため、硝酸銀を用いた沈殿滴定を行った。これらを一般的に混ぜるな危険と言われているキッチンハイターとサンポールを基準として比べ、どれほど危険かを可視化しようと努めました。
キッチンハイターとサンポール、食酢、クエン酸、レモン汁、中性洗剤、炭酸水を反応させ、着色したろ紙の漂白作用を確かめた。結果、サンポールが最も強く漂白し、食酢は少しだけ漂白したが、その他の物質ではあまり変化が見られなかった。次に、ヨウ化カリウムデンプン溶液と塩素と反応させた。青紫色がサンポールでは濃く、酢、レモン汁、クエン酸の順に色が薄くなった。炭酸水では最初色の変化が見られなかったが、量を増やすと薄く色づき炭酸でも塩素が発生していることが確認された。さらに、硝酸銀の沈殿滴定ではサンポールで塩化銀の白色沈殿が形成されたが、サンポール以外では反応がうまく進まず、別の定量方法を検討した。
弱酸の遊離により、キッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム)から塩素を発生させるため、次亜塩素酸より強い酸を反応させると塩素が発生した。酸の強さに従って、塩素発生の違いや漂白作用、ヨウ化カリウムデンプン溶液の呈色が観察された。食酢やレモン汁は弱酸であるが、次亜塩素酸より強い酸であるため発生した塩素は少なく、漂白作用やヨウ化カリウムデンプン溶液の呈色が弱かったと推測される。特にサンポールでの反応が顕著であった。炭酸水はかなり弱い酸で反応が起きにくかったが、次亜塩素酸よりも強い酸なので、量を増やすことで反応が進行したと考えられる。実験の結果は酸の強さの尺度であるpKa(酸解離定数)の値と一致した。