「でかけよう、世界はそとがおもしろい」をコンセプトに 、地球上にあるさまざまな「わお!」(驚き)を子どもたちに伝えてきたテレビ番組「しまじろうのわお!」は、これまでにも取りあげてきた環境や多様性など、SDGsが掲げる社会の問題をテーマとしたコーナーを、 これからさらに強化して放映しようとしています。時代性をうつすテレビ番組を通じ、未来を生きる子どもたちに大切な学びを伝えようとする、その制作に込められた思いを担当者に聞いてみました。

※タイトル画像出典:「しまじろうのわお!」エンディングソング。

「どうして?」大人では聞きにくいことも、しまじろうならストレートに話せる

幼児を対象とする通信教育<こどもちゃれんじ>が、テレビせとうち株式会社と制作し2012年より放映しているテレビ番組「しまじろうのわお!」(以下、略称「わお!」)。

今年で放映開始から9年目を迎える「わお!」が、これから強化をして制作・放映しようとしているのが、SDGsの思想を取り入れたコンテンツです。番組の企画制作を担当する、青地 藍(あおち あい/ベネッセコーポレーション グローバルビジネス開発本部)に、その背景や理由を聞いてみました。

「これまでにも、「わお!」では、SDGsとは言わずとも、使ったもののリサイクルなど、環境をテーマにしたコンテンツや、今でいうところの多様性、義足や義手、視覚障がいのある選手がプレーするゴールボールなど、様々なかたが登場し、一人ひとりの違いを理解するためのコンテンツを届けてきました。「わお!」を見たかたからは、「SDGsの観点が入っている番組ですね」とご意見をいただくこともありました」

「例えば、義足のサッカー選手のかたが登場する回で、しまじろうは、幼児と同じ目線で「その足はどうなっているの?」とストレートに聞くことができます。」

2018年に初回放映された「わお!」番組映像より。「かっこいい!」義足を知ったしまじろうが、その作り方を見に行き、選手と一緒に走って楽しむ様子などが描かれている。

「この回の放映後、「今日の『わお!』、なんだかあったかい気持ちになった」「教えたかったけれど、どうやって子どもに教えていいかわからないことを知れてよかった、ありがとう」といった感想がSNSにあがり、胸が熱くなりました。しまじろうがいる「わお!」だからこそ、SDGsなど大人が幼児に教えるには難しい問題や気づきを、押しつけではない学びとして子どもたちに届けることができる。そう考え、しまじろうと一緒に子どもたちが楽しんで学べるようなコンテンツを積極的に作っていこうとしています」

震災の後、合宿で生まれた番組リニューアルのコンセプト

そもそも「わお!」が誕生したのは、3.11の東日本震災が起こった翌年の2012年4月。以前から続いていたしまじろうのテレビ番組をリニューアルするにあたり、どういう番組を作っていくか、を検討する合宿が震災後の2011年に行われました。

担当社員のほか、監督や制作会社のスタッフなど番組に関連するさまざまなメンバーが合宿に参加。夜遅くまで、これからの時代に子どもたちに何を伝えたいかを議論する時間が続いた。

当時は、震災を受けて、日本全体に不安がひろがり、内向的なムードが子どもたちにも影響を及ぼしていました。そこで、最も大切なキーワードを「命」とし、さらに合宿で検討を進める中で、番組のコンセプトがきまっていきました。

「合宿でみんなで話しながら、“自分の外”=自意識の風穴を開けよう、“人間の外”=生き物や自然を知り大切にしよう、“日本の外”=もっと広い世界を知ろう――この3つの“外”を軸として、「でかけよう、世界はそとがおもしろい」という番組のコンセプトが生まれました。たくさんの大人が集まり、震災という社会全体をゆるがす事象の後に、子どもたちに伝えたいことを考えて生まれた番組であることが「わお!」のベースになっています」

子どもだからこれぐらいまでにしよう、という限界はもうけない。未来に向かう子どもたちに時代性をうつした学びを届けたい

最後に、「わお!」が大切にしていることや、番組作りに込める思いを聞きました。

「教材としてお届けする<こどもちゃれんじ>では、しまじろうは子どもたちと一緒に大きくなり、一人ひとりに寄り添う成長をサポートします。「わお!」は、テレビ番組として毎週30分の放映時間の中で、たくさんの親子が一緒に楽しめること、そして、テレビならではの“今”や少し先の未来をみすえた時代性をうつすことを大切にしています」

コロナウイルスによる緊急事態宣言発令の中では「コロナウイルスってなに?(新型コロナウイルスから身を守ろう)」といったコンテンツを制作・放映した。

「これから強化していくコンテンツもその一つです。対象が子どもだからといって、これぐらいまでの内容にとどめよう、というような限界はもうけません。グローバル時代に、SDGsが問題提起しているような、ジェンダーや多様性理解などを、「わお!」を見ることで早くから興味をもち、未来に向かう子どもたちが時代に合った学びや意識を自然に身につけていってほしいと願っています。好奇心旺盛なしまじろうと一緒に、まだ見たことがない世界を知り、一緒にトライ&エラーを繰り返しながら、力強く成長する子どもたちの姿を思い描いて、これからも番組を作っていきたいと思います」

「わお!」はこれからも、時代に即したテーマを柔軟に取り入れながら、子どもたちの興味関心をひろげる番組作りを続けていきます。

情報協力

青地 藍

青地 藍
株式会社ベネッセコーポレーション
グローバルビジネス開発本部 GS推進部
進研ゼミ中学講座の英語編集、こどもちゃれんじ・こどもちゃれんじEnglishの商品開発を経て、「しまじろうのわお!」を担当。子どもだけなく、親子で楽しめる教育番組を目指して日々勉強中。

・しまじろうのわお!
テレビ東京系6局ネット 毎週土曜8:30~9:00
https://kodomo.benesse.ne.jp/open/tv/