Benesse 「よく生きる」

EPISODE 人と社会の
「Benesse(よく生きる)」
をめざして

海外トップ大進学塾がめざす、
「世界中から進路を選ぶ」
をスタンダードに!
海外大受験高校生中学生

左:海外トップ大進学塾「Route H(ルートエイチ)」塾長 尾澤章浩

右:ベネッセ海外進学・グローバル教育事業責任者 辻村慎乃介

ベネッセコーポレーションの海外トップ大進学塾「Route H (ルートエイチ)」は、2008年に開校。米国・ハーバード大学をはじめとした「海外大進学」に挑戦する中高生に、必要な情報と指導を提供しています。塾生向けプログラムのほか、全国の意欲ある生徒たちのサポートになればと、Webセミナーやイベント、短期講習なども行っています。コロナ禍などで世界が大きく動く今、海外大進学に関する問い合わせが急増しているという同校の運営を担うベネッセコーポレーションの尾澤章浩と辻村慎乃介に聞きました。

社会課題に直面した今、
海外の最先端で学びたい

2008年の開校当時と比べ、海外トップ大進学への意識に変化はありますか?
尾澤
生徒たちの、日本にこだわらず先進分野を学べる大学に行きたいという気持ちは、開校時から変わらないですね。ただ、めざす領域は変化していて、コンピューターサイエンスやAI、そして環境学への関心が高まっています。地球温暖化や再生可能エネルギーなど、社会課題が顕在化してきた影響でしょうか。ここ一年では、宇宙開発や宇宙工学を志望する生徒も増えています。みんな世の中の動きをよく見ていますね。
保護者の方もこれからの社会を考えて、子どもの気持ちを理解し応援されているように感じます。海外在住の日本人の方からの問い合わせも増えています。
「Route H」などベネッセのグローバル教育を統括する辻村さんは、最近の傾向をどう見ていますか。
辻村
「コロナ禍の今、なぜ海外に行きたいの?」と生徒へ尋ねると、予期しなかった事態に対する日本の対応に疑問を持ったことが理由にあがってきます。医療や公衆衛生の対応策、デジタル化の遅れなど、学びたい学問にそれぞれの課題があることに気づいたわけです。海外のトップ大学で最先端の環境で学び、日本に還元したいと、口々に話してくれます。中高生がこのようなことを考えているなんて、日本の未来も明るいなと、すごくうれしくもあります。
未来を切り拓こうという意思を感じます。卒業生からの体験談セミナーなど、情報提供も頻繁に行っていますが、それも刺激になっているのでは?
尾澤
はい。オンラインセミナーに加えて、海外トップ大に進んだ先輩たちのSNS発信も参考にしているようです。受験対策と大学生活が話題ですが、学業はハードだけれど、海外大ならではのさまざまな国の人たちとの交流や切磋琢磨があり、熱意ある教授の話を聞ける。「大変だけど、楽しい!」という先輩の気持ちが伝わるのでしょうね。
それと、うちの卒業生の半数は、いわゆる帰国子女ではないんです。日本生まれ、日本育ち。小さな頃から海外トップ大をめざしていたとも限らない。そういった事例を身近に感じ、「自分もできるはず」と心に響くのだと思います。
日本にこだわらず、学びたいことを学べる場所に行くという選択肢が、特別なことではなくなりつつあります。
より多くの進学希望者の役に立ちたいと、書籍『米国トップ大学受験バイブル』(PHP研究所。2022年7月発売)に受験対策の知見と多くの先輩からの留学体験談をまとめた。尾澤塾長と卒塾生の向井彩野さん(ハーバード大学2022年卒)による共著。

生徒の良さをどうアピールするか。
ときには学校と連携することも

海外大学の入試方法は日本と異なりますが、受験で大変なのはどのような点ですか。
尾澤
米国のトップ大学入試は「総合的多面的評価」で、複数ある入試項目の書類やレポート、学校の推薦書をオンラインで提出します。筆記試験で点数を出す入試ではないので、生徒も指導する側も大変です。
とくに「Essay(エッセー)」の作成は重要で、半年くらいかけて彫刻を仕上げていくような感覚で内容を磨いていきます。「Route H」では経験の長い外国人スタッフが指導にあたりますが、日本の学校にはそれができる先生がほとんどいらっしゃらないのが現状です。
辻村
正解がないし、生徒一人ひとりの良さは違いますからね。大学も多様性の時代なので、大学ごとに「欲しい人材」が変わります。そこを見ながら力を伸ばしていかねばなりません。すごく大変ですが、だからこそ、やりがいがあります。
生徒の良さを生かすことと、大学の求める人材とのマッチングですね。実力をどうアピールするか、推薦書を書かれる学校の先生との連携はありますか。
辻村
はい。ベネッセには学校向け事業もありますから、さまざまなご縁でご相談をいただくことも多く、各地の教育委員会や学校などで対策のレクチャーをさせていただいています。
担当の先生と、「この大学に出願するなら、ここをアピールしましょう」などと、ご一緒に考えることもあります。課外活動の実績だけでなく、それによって生徒がどう成長したか、壁にぶつかりどう乗り越えたかがポイントなので、書き方のノウハウをお伝えしたりします。
生徒たちは18年間生きてきて、大きな一歩を踏み出そうとしています。人生をかけて受験するので、私たちも全力でサポートし、先生も全力で応援してくださいます。そういう気持ちを大事にしながら先生方と共に生徒たちの進路指導に取り組んでいます。
グローバル教育に関する学校や行政への支援案件も多く、全国を飛び回る辻村。現場の事情を聞き、解決への意見交換をすることは、「Route H」など自社事業にも大きくプラスになるという。

“地球規模”で考え行動できる。
そんな人材が増えてくれたらと

海外大学に進む生徒たちには、どんなことを期待しますか。
尾澤
何かを「よくしたい」と言うのは簡単ですが、本当に実行できるかは別です。多くの海外大学では、掛け声だけではなく実際に動くことをしっかり教育され、優れた実践をしている卒業生も数多くいます。そういった人たちと接することで、大きな視点で考え動くことの醍醐味を体感してほしいですね。
辻村
「Route H」が掲げているのは、「『世界中から進路を選ぶ』をスタンダードに~想像を超えた進路へ」といったパーパス(存在意義)です。生徒が学びたいなと思う学問を一緒に考えて、まずはスタートラインに立つ支援をするわけですが、受験も大学も通過点です。
海外で学んだことを日本に還元したり、みんなの将来をより良くできるよう、それぞれのフィールドで活躍してもらえたらと期待しています。もちろん、世界の課題解決をしたいという生徒も多く、地球規模で行動できる人たちが増えるとうれしいと思っています。
尾澤章浩 (Akihiro OZAWA)
米国の新聞社での勤務経験を経て、ベネッセコーポレーション入社。高校生対象の大学模試の英語編集長等を担当後、「Route H」に携わる。指導した卒業生の9 割は、ハーバード大学を始めとした米国トップ大や、英国トップ大等に進学している。
辻村慎乃介(Shinnosuke TSUJIMURA)
英語学習者への学習アドバイスや教材開発の経験と自身の留学経験を活かし、グローバルな進路支援、自治体のグローバル・海外進学プログラム支援を行う。カウンセラーとして過去12,500件以上の海外進学相談と出願や英語学習アドバイスの経験がある。

撮影:デザインオフィス・キャン(2022年8月取材) ※ご紹介した情報、プロフィールは取材当時のものです。

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