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■実践講座ダイジェスト

産学連携(企業&大学)の実践講座の報告をご紹介致します。


衛星データを利用し社会の課題を解決せよ。

<6月20日(金)>

中央大学にて宇宙航空研究開発機構(JAXA)衛星利用推進センターの岩本裕之さんが企業プレゼンターとして登壇されました。はじめにJAXAがこれまで行ってきた活動や、岩本さんご自身が文系出身ながら、どのように宇宙の仕事に携わってきたのかのお話し。なかなか遠い世界で行われていると思いがちな仕事内容を、TVCMを使ったり、身の回りの衛星中継や携帯電話の事例などを取り上げ具体的にご説明下さいました。

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今回の課題は、衛星を利用した社会の課題解決策の提示や、衛星データを利用した新しいビジネスの立ち上げ。その課題の規模の大きさに戸惑いもありますが、岩本さんからは、各種人工衛星利用に関わる産業規模のご説明や、ビジネスになりそうな分野のヒントや観点をご説明下さり、学生は学生なりに、課題を理解しようと努めていました。

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講義の後半では、衛星で出来ることの具体事例を列挙。災害、漁業、農林業への貢献や、温暖化観測、気象観測、海面や陸地の観測などで取得できるデータなど、今まで目にしたことのない豊富なデータに、今後のビジネスの可能性を感じました。


1機のロケットを打ち上げてでも解決すべき課題なのか?(中間プレゼン)

<7月4日(金)>

中央大学にてJAXAへの中間プレゼンが行われました。上司役として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)衛星利用推進センターの松浦直人さん、岩本裕之さんの2名がご参加されました。

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発表の中では、エネルギーや食糧問題、災害、気象変動など、彼らの考える、彼らなりのさまざまな社会課題が発表されました。しかし、その解決策として出された提案内容はアプリであったり、ゲームであったりと投資額に見合う提案内容にはなかなか届かず悩んでいる様子でした。それらの提案に対し「民間がやるべきなのか?」「国がやるべき仕事なのか?」など、既存の企業が既に近しいビジネスをしている場合、税金を投入してまでする施策として、どう説得させるのか?など現場レベルでの厳しい指摘が続きました。

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「1機のロケットを打ち上げてでも解決すべき課題なのか?」この一言にはJAXA職員の責任と社会的使命を感じました。課題を大きく捉えながらも、その課題が起こっている原因をきちんと分析できていないために、とてもニッチな解決策が多く見受けられました。JAXAという事業体で実現できる社会的課題解決や貢献の規模の大きさを、今一度、認識し直すべきだと痛感させられる中間プレゼンでした。


宇宙ができることは何なのか?(最終プレゼン)

<7月18日>

中央大学にてJAXAへの最終プレゼンが行われました。上司役として宇宙航空研究開発機構(JAXA)衛星利用推進センターの松浦直人さん、岩本裕之さんの2名がご参加されました。

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学生の考える社会課題とはどんな内容なのか?社会のさまざまな課題を自分事として考えてみて欲しい。そんな思いでJAXAの方々と課題の設定を考えました。中間プレゼンで厳しい指摘を受けた学生が、どのように議論を立て直してくるのか?大変楽しみにしていました。

学生から出てくる課題は、医療ビジネスや、衛星通信ビジネス、動物保護や災害支援など、世間で語られている問題に、学生それぞれが着目し解決策を提案していました。

しかし、それらのビジネススキームはいずれも、「1機のロケットを打ち上げてでも解決すべき課題なのか?」という中間プレゼン時にされた最大の指摘からは、なかなか脱することができず、本業のビジネスの難しさとその真髄を見たように思いました。

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講座の最後には、中央大学のOB、且つ文系学部出身の山下裕史さんが登場され、「なぜJAXA職員になったのか?」「文系出身者がどのように宇宙の仕事に携わっているのか?」など、先輩の立場から熱いメッセージが届けられました。

最後に、プレゼンで1位を獲得したチームに"だいち2号"のピンバッチが贈られ、改めてこの講座にご協力いただいたJAXAの方々と課題解決に取組んだ学生達とで大きな拍手で講座を終えました。

JAXAの皆さん、本当にありがとうございました!!

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