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■思考力育成講座紹介(カリキュラム詳細)

「主体性」が引き出された次に必要な「思考力」育成に挑む~「Future Skills Project研究会」の取り組み~



はじめに~FSP研究会での議論~


2020年はFuture Skills Project研究会が発足し10周年を迎える。研究会では、この節目の年に向かってどのような組織であるべきか、どのような研究を続けるべきかの議論を重ねてきた。

20年後の世界をイメージしてみたい。今、20歳の若者は40歳になり、まさしく社会を動かす重要な立場になり、今騒がれている「AI時代」を牽引している、そんな姿だ。このような時代に生きていく子ども・生徒・学生達のために、今、何をしておくべきか?我々研究会が出した結論は「人を巻き込む思考力」である。


社会に出て、多くの人を巻き込み、結果を出すには、相手の心を動かすパッションと、相手を納得させるロジックの両方が必要である。FSP主体性講座は、パッション=主体性を引き出すことに主眼を置いたため、次の一手はロジック=思考力も併せて鍛えられるプログラムを開発することにした。

議論の結果、FSP主体性講座を受講した学生が大学を越えてチームを組み、身近に起きている社会課題の中から自らが取り組みたいテーマを設定。そのテーマの課題解決を通じて、人を巻き込むために必要な思考力を鍛えることとした。


人を巻込む思考力講座の概要~自ら主体となり、実践を通じて思考力を鍛える~


我々が定義した「人を巻き込む思考力」とは、以下の4つである。

① 問いを立てる(全体感を持って本質をとらえ、課題を形成する)

② 構想を描く(徹底的に考え抜き、論理的かつ魅力ある行動計画を立案する)

③ 人を巻き込む(論旨明解に伝え、情熱を持って他者の主体性を引き出す)

④ 実践を糧にする(過程と結果から学び、志を持って次の実践につなげる)



人を巻き込む思考力の4要素


これらを鍛えるには、多くの困難を乗り越える実践する経験が必要である。

そこで、考案されたカリキュラムは、まず最初に1泊2日の合宿を開催。チームビルディング、課題設定、課題解決のアクションプラン策定まで、一気に取り組む。その過程では、大学教員・企業人から容赦ないフィードバックを受ける。これだけでも、思考力は相当鍛えられる。

その後、合宿で策定したアクションプランを実社会を相手に実践に挑む期間を用意。

合宿から、わずか2か月後に、その実社会に挑んだ実践の成果を報告するというプログラムを設定した。


その間、各チームには、社会で活躍する企業人がメンターとして付き、チームの進捗をサポートすることとした。

学生たちは合宿で策定したアクションプランをもとに、課題解決に向け奔走。関係各所に協力を要請するが、思うように進まない。そのたびにプランを練り直し、試行錯誤を繰り返す。ここでも思考力はかなり鍛えられたはずである。


そして、迎えた成果報告会。各チームとも当初のプランから大きく変わったが、自分たちで決めた解決すべきテーマに対し、最初の一歩を踏み出すことが出来た。


人を巻込む思考力講座実践で見えてきたこと


これまでの2回のトライアルで見えたことは、主に2つ。

①与えられた課題ではなく自分たちで設定した課題に対しては、アクションプランを実践する主体として、自律的に考え、行動する力が高まる。

②ひとたび人を巻き込むと、そこに責任感が芽生え、その責任に報いたいとの思いから、諦めずに考え、行動するようになる。

これらによって、「人を巻き込む思考力」が鍛えられたのではないだろうか。

今後も実践の規模を拡大し、本講座を「FSP思考力実践講座」として1人でも多くの学生に提供できるようにするためにも、産学連携は益々重要になる。今後は、本講座に共感して頂いた大学ならびに企業のみなさんと一緒にチャレンジを続けていきたい。


本講座協力者一覧


本講座協力者一覧