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■実践講座ダイジェスト

産学連携(企業&大学)の実践講座の報告をご紹介致します。


すべてはお客様のために。

<6月12日(木)>

青山学院大学にて野村證券の百枝信二さんが企業プレゼンターとして登壇されました。

百枝さんが過ごされた野村證券での社会人Historyと、数々の失敗や修羅場経験から得た成長の話。顧客からの信頼や部下を「宝」と呼び大切にされる百枝さんの人柄と情熱が教室に伝播し、大変熱い講義となりました。また、新入社員が研修を通じ野村證券の社員として成長していく過程を映像でご紹介下さいました。その映像では、新入社員に野村DNAが息づく瞬間を目撃することができ、まさに、社員の立場になってこの講座での課題に向き合う儀式が行われたように思いました。

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この課題は、実際に野村證券の新入社員研修で社員に提示されている課題です。

課題を説明する山崎義彦さんは、FSP講座に3年連続ご協力して下さっており、この講座の肝を非常にご理解された講義を展開して下さいました。「魅力的とは?」「投資対象とは?」「お客様へおすすめする上で大切なこと」「全員参加で」「時間管理」など、議論をするにあたって見失ってはならない観点、チームで取り組む意味、社会人としての約束事を丁寧に言及下さいました。

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講座には、百枝さん、山崎さんの他に、田所慎太郎さん、小曲礼子さんがご参加下さり、以降の中間、最終プレゼンには、この4名が上司役としてご参加下さいます。

 


より良い社会とは?(中間プレゼン)

<6月26日(木)>

青山学院大学にて野村證券への中間プレゼンが行われました。上司役として、人事部門から百枝信二さん、田所慎太郎さん、小曲礼子さんの3名がご参加されました。

学生のプレゼンが終わると、「そこに投資をすると、なぜ、より良い社会になるのか?」「より良いとはどんな状態か?」など、議論のとっかかりを確認する質問が続きました。

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中間プレゼンでは、学生の域を出ていないプレゼンに厳しい指摘がありました。しかし、その指摘は、いずれも企業人にとっては当然のこと。学生が使っているテキストにもプレゼン時のマナーやあるべき姿を5ページにもわたって解説しているにも関わらず、その意味や重要性が伝わりません。今回のように企業の方に指摘を受けることによって、リアリティを持ってそのページの重要性に気づくことを狙います。

今回、野村證券からご指摘いただいたプレゼンの基本姿勢はどれも貴重な内容であったために、以下に列記します。

<プレゼン資料に関して>

・裏付けを示せ(数的根拠) ・誰に対してプレゼンをしているのかを意識する ・資料の出所の示し方 ・一番伝えたいことはなにか? ・他チームに勝るポイントはなにか?

<プレゼンの基本姿勢>

・「・・・だそうです」「ぼく・・・」「なんか・・・・」はNG ・立ち姿に注意(手をぶらぶらさせたりしない) ・カンペを見過ぎ ・コピペのスライドはNG ・文字の大きさと量に配慮すべき ・時間厳守 ・話者以外のメンバーの態度 ・チームワーク ・笑顔

非常に的確かつ貴重な指摘に溢れ、学生がメモを取るシーンが多くあったように思いました。

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<この講座で使用してるテキストの一部>

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このページでは、プレゼンとは?から始まり、プレゼン時の注意や聞き手の姿勢などを解説しています。


気づきを行動に変えろ!!(最終プレゼン)

<7月10日(木)>

青山学院大学にて野村證券への最終プレゼンが行われました。上司役として、人事部門から百枝信二さん、山崎義彦さん、田所慎太郎さん、小曲礼子さんの4名がご参加下さいました。

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中間プレゼンで厳しい指摘を受けたこのクラスでは、教室の中では企業参加者にどのような配慮をすべきかを小声で相談する学生の姿が見られました。「プレゼンで前に出ると時に、企業の中の前は横切らないように」や「発表の際の並び順に気をつけよう」等、彼らなりに意見を出し合っていました。

また、中間プレゼンの際には、厳しい面だけではなく、自分達の企画を自信を持ってお客様にお勧めする。その時に提案者がもっと楽しそうであるべきではないか?との指摘がありました。その指摘を受け、スライドの作り込み1つを取っても、"楽しそう""ワクワクする"そんな画像やイラストを盛り込んだモノに大きく変わっていたように思います。

また、表情の変化に関しても、企業の方々から、数多く指摘があり、とことん話し合ったチーム、発表内容に納得しているチームは、プレゼンを聞く側からも様子を見てとれるのだと痛感しました。

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企業人からの講評では、中間プレゼンからの"伸びシロ"に非常に注目されていました。「前回と比べて・・・・」「前回の視点よりも更に・・・」等、学生の頑張りをきちんと評価された納得感が学生にはあったように感じました。

最後に百枝さんより「この講座で気づいたことを、行動に変えられるかどうか。これが肝心なんだ」という、今後の大学生活での学びを今一度立ち止まって考えさせられるアドバイスが贈られました。

野村證券の皆さま、本当にありがとうござました!!

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<この講座を受講した学生の様子>

この野村證券から提示される課題、はFSP講座を立ち上げた4年前より継続している内容です。その年度によって学生の考える「よりよい社会」は大きく違い、同じ課題にも関わず、毎回驚かされます。

4年前の講座では、直前に東北の大震災を経験した事で、"防災"や"エネルギー問題"等に多くの提案が集中しました。しかし、今年度は、"高齢化""働き手不足"等、非常に世相に敏感に反応した内容が多く見られました。

このこと1つを取っても、話題性のあるビジネスではなく、長期に注目され続けるビジネスモデルというのは非常に難しく、投資家の興味を引き続ける證券会社の仕事の奥深さに改めて気付かされました。