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■実践講座ダイジェスト

産学連携(企業&大学)の実践講座の報告をご紹介致します。


すべてはチームワークで成り立っているんだ

<6月19日(木)>

中央大学にてオリエンタルランド商品開発部 生活雑貨グル―プマネージャーの向井丈晴さんが企業プレゼンターとして登壇されました。プレゼンの冒頭で「ディスニーランドに来たことがある人」と挙手を求めると、全員が挙手。教室の学生の全員が一度は行ったことがあるという反応に向井さんも驚かれていました。「夢の国」の中で、社員がどのような気持ちで働き、実際に活躍をしているのかを直接聞くことができる大変貴重な機会だったように思います。

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今回は、「働くリアルを見せる」というFSP講座の主旨をご理解下さり、普段では目にすることのないテーマパークビジネスの概要や売上構成、ゲスト1人当たりの売上推移など、IR等で公開しているビジネスにまつわる詳細データを提示し、学生に分かり易く説明をして下さいました。

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課題を正しくとらえるために、講義の中では、過去に行った"売上機会の創造"と、"売上機会損失の抑制"の事例をご説明下さり、単なる商品開発で終わらず、広い視野で企画を立案することが要求されました。これからの事例を通じて、何を解決するために、どんな施策がなされたのか?を目の当たりにすることができました。また、講義の最後に、「ディスニーブランドに関わる上で」という内容で、ディズニーブランドの原則やプロミス、表現の仕方、社会・人権への配慮、必要な注意などのご説明を受け、オリエンタルランドの社員になって当事者意識を持って課題に向かうきっかけがあったように感じました。

『すべてはチームワークで成り立っているんだ』というウォルト・ディズニーの言葉で、講座は締めくくられました。


プレゼンをすることが目的になってないか?(中間プレゼン)

<7月3日(木)>

中央大学にてオリエンタルランドへの中間プレゼンが行われました。上司役として、商品開発部から向井丈晴さん、人事部門から横山政司さんの2名がご参加されました。0703_A.png

課題に対し、"新たな売上機会の創造"か"売上機会損失改善"かのいずれかに学生がターゲットを絞りさまざまな発表がなされました。「課題の把握が間違えていないか?」「アイディアが沢山出たのは良いけど、どれも薄っぺらい」「これじゃアイディアレベルだ。提案じゃない」「根本的な課題の解決に全くなってない」「そんなレベルは当然現場で既に議論されている」等、解決策のレベルに、厳しい指摘が続きました。

中でも、一番印象に残ったのは、「そんな安易な対応策は、逆にゲスト(お客様)に失礼だ。」という発言です。これは問題が起こっているから、とにかく何か手を打つ、といった表層的なレベルで仕事をしていない、というオリエンタルランド社員の仕事に対する姿勢を想像させました。

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提案というのは、アイディアを発表する場ではない。沢山のアイディアの中から、どれが一番効果的で、それをどうやって実現まで持っていくか?それを詰めて、自信を持って相手に伝えるのが提案だ。という企業の求めるOutputレベルをはっきり示し、最終プレゼンまでにしなくてはならない議論を再確認。また、最後の総評では、「プレゼンをすることが目的になってなかったか?」との中間プレゼンの位置づけを再確認させる指摘が横山さんからあり、教室のムードが一変。今までゲストという立場で身近に感じていたTDLにも関わらず、社員として課題解決に向かうとなると、その課題の難易度や実現することの難しさなど、働くをリアルに感じることができた中間プレゼンでした。


プレゼンは聞いた人の心を動かす(最終プレゼン)

<7月17日>

中央大学にてオリエンタルランドへの最終プレゼンが行われました。上司役として商品開発部から向井丈晴さん、人事部門から横山政司さんの2名がご参加されました。

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中間プレゼンで指摘された観点を、立て直してきたチームや、全く別の案に切り替えてきたチームなど、この2週間での深い議論や、繰り返された考察の過程を想像させるプレゼンが多く出ました。また、自らが提案する解決策を視覚的に説明しようと、新たなグッズを試作例として提示したチームなど、「相手に理解させよう」「分かってもらいたい」という学生の前のめりな姿勢が非常に印象に残りました。

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講座の最後に語られた、向井さん、横山さんからのエール。その言葉の幾つにも学生にとっては新鮮な気づきがありました。最も学生が頷いていたのは、向井さんからの「今日のプレゼンの資料を君たちはずっと持っていなさい」というフレーズでした。「君たちはこれから成長する。成長できる。何年か経った時に、今日のプレゼン資料を見直せば、"あぁ~、大学1年生のはじめの頃はこんなんだったなぁ~"と自分で自分の成長を確認できる」というお話でした。

また、横山さんの言葉で印象的だったのは、「プレゼンは聞いた人の心を動かす」というひと言でした。これまでの講座でも、企業の方々から、「何のためにプレゼンをするのか?」等の言葉が学生に投げかけられましたが、多くの学生が、「1位になるため」「相手を説得するため」等、非常に表面的な解しか持ち合わせていなかったように思います。しかし、「プレゼンは聞いた人の心を動かす、それができるのが熱意だ」と締めくくられた横山さんのお話に、私自身が非常に大きな学びを得ることができました。

向井さん、横山さん、本当にありがとうございました!!

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