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■実践講座ダイジェスト

産学連携(企業&大学)の実践講座の報告をご紹介致します。


「モノ」 から 「モノ+こと」へ

<6月18日(水)>

上智大学にて東芝の松田清さんが企業プレゼンターとして登壇されました。

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はじめに、松田さんの過去の人生歴と、世界で起こった出来事、日本で起こった出来事をなぞらえ、時代を支えてきた東芝の事業規模の大きさに驚きました。また、世界初「ラップトップPC」の発売をはじめ、PCメーカーとしての東芝の認知度がゼロに等しかった時代からどのようにしてシェアNo1.にまで成長したのか?そのヒストリーを当時PC事業を育成してきた西田現東芝会長の言葉を取り入れながら、如何に市場を開拓してきたのかを熱く語って下さいました。0618_A.png

授業の中では、発売前の最新機種のデモ機を持ち込み、7つに変化する、「新しい使われ方」を形にしたPCを披露。ユーザーのあらゆるニーズに合わせて技術開発される一例を紹介下さいました。

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課題の提示後には、東芝の人事・総務部から、座古隆教さん、大竹千代さん、林健太さんも加わり、各チームからの質問に個別に対応し、より課題を深く理解をするための助言を下さいました。「再生」って、どういう意味なのか?「金額なのか?シェアなのか?」など、"正しく課題をとらえる"重要性を痛感した後に出る質問だと見受けられる質疑が飛び交いました。

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改善策を聞きたいんじゃない。事業再生の提案が聞きたいんだ。(中間プレゼン)

<7月2日(水)>

上智大学にて東芝への中間プレゼンが行われました。上司役として、松田清さん、桑子裕さんの2名がご参加されました。

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最初のプレゼン終了後に、「君たちは誰に向かってプレゼンしているのか?誰に聞いて欲しいのか?紙をずっと見て話していたら何も伝わらないよ」という桑子さんの厳しい指摘から始まりました。それでも「当社の強みは・・・」「自社の技術で・・・「我社のパソコンの特徴は・・・」等、学生達は社員の一員となった前提での発言を多発させ真剣に上司に挑む姿勢を見せてくれました。

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「価格競争は避けられない」「機能を追加するだけで買ってくれるなんて簡単な話じゃない」「本当にこの規模で事業が再生すると思ってるのか?」等、長年PC事業に携わってきたお二人だからこその、リアルな指摘が続きました。また、海外展開や海外での生産工場設立の提案が出ると、海外畑で長年キャリアを積まれた松田さんから、その難しさや想定される負荷の大きさに関するご指摘。安易な再生ストーリーを企業レベルの目線に引き上げることを牽引させる力強い講評を多く聞くことができました。


大切なのは"突破力"だ(最終プレゼン)

<7月16日(水)>

上智大学にて東芝への中間プレゼンが行われました。上司役として、松田清さん、人事・総務部から、座古隆教さん、大竹千代さん、林健太さんが加わり4名がご参加下さいました。

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中間プレゼンでの指摘を受けて、量販店に視察に行ったり、店員さんにヒアリングをしたチーム、或いはユーザーアンケートを取ったチーム、競合分析を独自に行ったチーム。それぞれのチームが、一般にWEB上にある情報からのデータ収集に留まらず、独自の裏づけや根拠を持ち込んだ点に、中間プレゼンとの提案内容の大きな変化を見ました。また、必ず、全員が発言をする、という発表に対する指導法は、企業の方からもチームで活動している様子が垣間見れ、大変講評でした。

しかし、ターゲットの絞り方が甘かったり、解決策が課題からはるかに乖離しているなど、現場を長年経験してきた企業人の指摘はいずれも鋭く、社会のレベルの高さを思い知ることとなりました。また、中間プレゼン同様、「改善策」ではなく、その提案で本当に「事業再生」ができるのか?その課題解決の根本的な質疑が飛び交い、如何に課題解決が難しいかを痛感した講座でした。

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講座の最後に、「ぜひ一言、学生に話したいことがある。」と松田さんが口火を切られた学生へのエール。それは、これから社会で活躍するために、絶対に必要な能力としての"突破力"という言葉でした。どんな環境でも、あらゆる手を尽くし、自分の信念を実現させるための力、それが"突破力"である。この言葉には、長年、あらゆる修羅場や困難を乗り越え、なおも、企業人として活躍し続ける松田さんご本人の社会人人生が集約されているようにも感じ、学生は尊敬の眼差しを向けていました。

東芝の皆さま、本当に熱い講義をありがとうございました!!