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オンライン教育プラットフォーム 「Udemy」

社会⼈教育を進化させる「Udemy」
学習履歴から新たな価値を創出

全世界で5000万⼈の受講者がいるオンライン教育プラットフォーム 「Udemy」の魅力を探る。

全世界で5000万⼈の受講者がいるオンライン教育プラットフォーム 「Udemy」。人生100年時代、生涯学び続ける力が求められている今、Udemyで自ら学び、キャリアアップにつなげるビジネスパーソンが増えている。Udemyの魅力は何か。学校カンパニー 大学・社会人事業開発本部 社会人事業開発1課 課長 菊井顕治に聞いた。

※所属・役割は2020年03月時点でのものです。

  • 学校カンパニー 大学・社会人事業開発本部 社会人事業開発1課 課長 菊井顕治
    (所属・役割は2020年03月時点でのものです)

社会人にとっての学習の選択肢を
増やすべく、新規事業提案制度を
利用しUdemy社との業務提携実現へ

「Udemy」は、2010年にアメリカでスタートしたオンライン教育プラットフォーム。日本ではBenesseが業務提携し、2015年よりサービスを開始した。数あるオンライン教育の中でも、UdemyはC to Cを特徴としており、知見をもつ人が個人で講座を開講し、「教えたい人(講師)」と「学びたい人(受講生)」がオンラインでつながるプラットフォームとなる。世界190ヶ国以上に展開し、15万以上の動画講座を公開。グローバルでの受講者は5,000万人にのぼる。

Udemyの強みは、時代のトレンドを先取りした講座が充実していること。特にテクノロジーの分野で顕著であり、たとえば、2~3年に流行ったビットコインは、Udemyでは2013年から講座が開かれていた。またアメリカで流行ったITスキル系の講座をローカライズして日本展開できるのも強み。菊井は「その知識の必要性を知る現場の人が教えるからこそ、トレンドになる前に講座が生まれる」と語る。

UdemyとBenesseが業務提携に至った背景は何か。立ち上げメンバーでもある菊井は、「当時のBenesseは、社会人教育の領域が課題だと感じていました。ちょうどその頃、私の周りでも社会人になってからのキャリアアップに悩む友人もいて、社会人教育はそもそも選択肢が少ないことに気づきました」と語る。専門学校やセミナーに通えば、社会人になってからも学べるが、それには費用も、時間も費やす。頑張ろうと思った社会人がすぐに始められる環境を提供することはできないか。

そんな想いを巡らせていた菊井が出会ったのがUdemyだった。「当時はUberやAirbnbが流行りはじめ、時代の流れを見ても、教育分野でC to Cはポテンシャルがあると考えました」と菊井氏。

同氏はその後、Udemy社との事業提携を提案。ただ当時はUdemy社のグローバル戦略においてローカルパートナーと組んだ実績がなく交渉には期間を要した。結果的にはUdemyの事業コンセプト「Improve Lives Through Learning(学びを通して人生をより豊かに)」とBenesseの企業理念「よく生きる」の親和性の高さなどから事業提携に至った。

「Udemy メディア」をハブに、
学習価値を届けるための情報発信を強化

2015年より日本でのサービスを開始したUdemy。当時はオンライン学習自体の認知度も低いうえ、日本語で学べる講座が少ないこともあり苦戦したという。

そこで菊井らは、受講生や講師とやり取りし、Udemyで学ぶ価値をしっかり伝えられるよう記事連動広告の手法に絞って展開。講師がどんな想いで講座を作ったのか、講座で学ぶとどのような学習価値が得られるのか、記事として情報発信した。

そうした記事文脈での情報発信が一定の成果につながり、新たな施策として今度はコンテンツマーケティング戦略を実現するため「Udemyメディア」を構築。Udemyで一定のSEO Trafficを生むためには、事業の特性上、講座数の担保が必要不可欠であったが、ローンチ当初は講座数も少なかったことがUdemyメディア立ち上げの背景にあった。その結果、学びたい社会人に向けた学習のトレンドやおすすめ講座情報、受講者の体験談を記事にして発信する事で、顕在化した学習ニーズを持つターゲットの集客に成功した。

各社の経営課題の解決策にフィットした
「Udemy for Business」、
わずか8ヶ月で約100社が導入

このように日本における社会人教育でC to Cモデルを持ち込み、受講生を増やしてきたUdemyであるが、昨今、最も注目を集めているのは、2019年6月にスタートした法人向けサービス「Udemy for Business(以下、UFB)」だ。菊井によると、一般受講生から“自分の会社の研修で使いたい”との要望が寄せられるようになったことが発端だという。

「今までは終身雇用で、社内研修も手厚い時代でした。しかし、今はデジタルトランスフォーメーションや生産性向上、働き方改革など社内研修の在り方も変わり、そうした経営課題の打ち手のひとつとしてUdemyを使いたいと話される企業様が増えました」と菊井は語る。テクノロジーの進化も早く、受講生側である社員の受講ニーズも多様化する中で多くの企業は人材育成の課題を抱えている。会社側で時代にあった教育コンテンツを内製化する事はむずかしく、社員の実務課題にそった受講ニーズを満たす網羅性を持ったUFBを選択肢として選ぶ企業が増えているというのだ。

UFBは、講座ごとに購入する一般向けと異なり、Udemyで公開されている世界約15万講座の中から、日本の利用者向けに厳選した日本語および英語、約3,600講座(2020年3月時点)をサブスクリプション(定額制)で利用することができる法人向けサービス。その定額利用の講座に加え企業は、自社のConfidentialな研修素材を無制限にアップロードし講座化、社員に展開する事も可能だ。さらに人事や管理者に対しては、誰が何の講座をどの程度学んだのかが一元管理できる、独自のLearning Management System(LMS)を提供。社員の成長やキャリアアップの支援に活かせる。

UFBは提供開始わずか 8か月で、トヨタ自動車、ソフトバンク、みずほファイナンシャルグループといった大手企業を含む約100社が導入した。契約企業の中にUFBを受講する事で、“従来型の与えられたデータを元にした営業ではなく、SQLを駆使したデータ結果から営業する担当も生まれた”、“データサイエンス関連の講座を多数受講した社員が管轄外の部門から関連部門に異動した”という具合に、Udemyで学んだ社員の学習歴が人事戦略に活かされるシーンも生まれている。「LMSに蓄積された学習歴がTalent Management にもつながっていくだろう」と菊井。今後の人材開発がLMSでより戦略的に行えるというのだ。

さらに、「Udemy for Businessを通して、企業の受講状況や海外の受講トレンドを解析する事で、より受講生にとって内発的な学習動機に繋がる価値提案をしていけるようになる」と菊井は語る。また法人学習データベース解析によると、社員の学習時間が長い組織は、Udemyの運用に工夫があることも分かってきた。具体的には、社内にアンバサダー制度を採用したり、社員の学習パスを可視化し公開するという具合だ。「人事が用意するのではなく、“〇〇さんみたいになりたかったら、これを勉強するといいよ”という感じで、身近な人が学習を勧めるのが有効だといえます」と菊井は述べた。

Benesseホールディングスが
米Udemy社に
5500万米ドル出資。

Udemyの日本ローンチから5年が経過。法人へのサービスも拡大するなど事業規模を着実に広げている。そして2020年2月には、米Udemy社とさらなる連携強化を図るため、Benesseが米Udemy社に対し5000万米ドル(約55億円 ※110円換算)の出資を行う契約に正式合意した。今後は、社会人向けリカレント教育分野へのサービス強化をめざす。

「米Udemy社の株主はベンチャーキャピタルが中心でしたが、その中で唯一、Benesseが事業会社として入りました。資本注入したことで、より日本市場でできることが増え、5年やってきた成果が形になったと考えています」(菊井)。資本提携を経た現在は、米Udemy社のメンバーと連携をより密にし、新たなマーケティングおよびコンテンツ戦略に挑んでいく考えだ。

また今後の展開として菊井は、「Udemy」が保有する個人・法人を含む社会人の学習履歴データの解析をもとに、講師や企業と連携し学習者にとって必要不可欠な新規サービスの開発や「大学と社会を学びでつなぐ」をコンセプトにしたキャリア支援事業の開発など、社会人の学び・キャリアにおいて新たな学びのインフラとなる存在をめざす。

一方で、Udemyが抱える課題点は何か。菊井は「学習ニーズが多様化している中で、日本語で教えられる講師・講座についてはまだまだ拡充の余地があります」と語った。積極的に講師に必要な情報を公開しつつ、支援のカタチを広げていく考えだ。一例ではあるが、法人の利用において社内向けの講座を担当する講師が社外向けに一部のカリキュラムやノウハウを展開し、兼業や副業につなげるなどの動きが始まっているという。

「事業運営においてユーザーファーストである事を前提に受講者や講師にとってプラスになることはすべて提供していきたいと考えています。学びのインフラとしてUdemyを使ってもらい、受講者が学習効果を実感し、内発的に学ぶ文化を作っていきたいです」と菊井は抱負を述べた。時代の変化に対応できる人材が求められるなかで、Udemyは学ぶことで豊かになる人生を未来に描いている。

取材:2020-03
掲載:2020-05