Benesse 「よく生きる」

EPISODE 学びを支えるストーリー 可能性を広げる
きっかけがある

「学ぶって楽しい」 を
引き出す原動力に
小学生教具進研ゼミ
進研ゼミ小学講座
教材編集者
中野 大介
「進研ゼミ中学講座」の教材編集を経て、「進研ゼミ小学講座」の教具関連の部門へ。長く教具に携わり、現在は企画・開発チームのリーダーとして、全体を統括している。
生活習慣を身に着けるための目覚まし時計、観察の観点を広げるスコープや顕微鏡、学習の動機付けを行う電子教材や会話ロボット…
通信教育講座「進研ゼミ」では勉強の楽しさを広げるさまざまな教具をお届けしている。その開発のこだわりとは?
こだわりポイント
  • 教具を通して学ぶ楽しさを伝えたい
  • 尽きないのは、驚きと楽しさを感じていただくためのこだわり
  • 子どもたちからの声がつくる喜びになる
  • 時代に合わせて教具も進化させていきたい

自ら学ぶきっかけをつくりたい

中野
教具はなくても学びには困らないと思われるかたもいらっしゃるのかもしれません。でも学びって、「楽しい」と感じるほど、自発的に取り組めるものだと思うんです。その「楽しい」のきっかけをつくり出せるのが、教具。紙やデジタルの教材で学ぶことももちろん大切ですが、自分の身体に電気が通って音が鳴る体験に「なんで?」と驚いたり、顕微鏡をのぞいて「へえ、すごい!」とわくわくしたり… 教具でのそんな体験こそが、「もっと知りたい」という興味につながったり、“体験の貯金”となってやがて「こういうことか!」というのちの理解に結びついたりして、学ぶ原動力になっていきます。

繰り返し使ってもらうために

中野
その役目を果たすために私たちがこだわっているのが、“いかに驚き、楽しんでもらうか”ということです。ただし、安全で、できればお子さまが一人でできることは大前提。加えて、お子さまが楽しむ姿が保護者の方に見えたり、親子でのコミュニケーションを生んだりする役目も果たせれば。などと思いが尽きないぶん、それを形にしていくのは簡単なことではありません。

だからこそ、教材の編集担当者、監修の先生、開発会社のかたと話し合いを重ね、デザイナーの方々とも何度も協議を重ねたうえで、試作品をつくっては、全国にいるモニターの方々に実際に使っていただき「使いにくい」などの声があれば改良する。それを何度も繰り返しながら、こだわりを形にしています。

子どもたちからの声がつくる喜びになる

中野
そうしたなかで、改良を重ねながらおよそ20年わたって小学1年生の入学準備期にお届けしているのが、『めざましコラショ』です。ネーミングの通り小学講座の“コラショ”というキャラクターのめざまし時計なのですが、こだわりどころは、その子にできるだけ近い存在になってよびかけること。お子さまそれぞれの名前を呼んで、起きる時間をお知らせしたり、頑張りに応じて「きょうで〇日目だね!」と応援したりしてくれるところです。さらに、ときには英語のあいさつでしゃべり出したり、誕生日には「お誕生日おめでとう」とお祝いするような仕かけも盛り込んでいるので、お友達や家族のような感覚を抱いてもらえています。「コラショのおかげで、決まった時間に起きられるようになった」といった報告をいただくこともあります。早寝早起きの習慣づけ、生活の基本的な部分での、「楽しい」のお役に立てていると実感しています。

卒業生の思い出の教具として挙げてもらえたりすることの多い教具の一つ。さらには、社会人になった方から「めざましコラショを修理して欲しい」という問い合わせをいただいたこともあり、長年お役に立てたことが実感できとてもうれしく思いました。
中野
一方、苦手になりがちな電気の学習になんとか親しんでもらいたくて、試行錯誤を重ねて完成させたのが、4年生にお届けしている『電気実験マジカルチェッカー』です。これは通電すると音と光が出るシャープペン型の教具なのですが、単にピカッと光るだけのものなら、見かけたことがあるかもしれません。でも一人でも多くの4年生に興味を持ってもらうには、もうひと工夫が欲しい。そこで、黒鉛である芯をさわったり、書いた文字をさわることでも通電の実験ができ、電流の強さに応じて光や音が変化する機能もプラスしたところ、おもしろがってくれたお子さまが少なくなく、なかには「墨汁や葉っぱで通電するのが意外な発見でした」と報告してくれたお子さまもいるほどです。

同様に、身近なものを約30倍の倍率で観察できる3年生向けの『ミクロかんさつスコープ』や、300倍という高倍率にこだわった5年生向けの『300倍ズームけんび鏡』では、「こんなものを観察してみました」「親子そろって発見できて、ものの見方が変わったし、好奇心が引き立てられました」といったお子様の行動が変わったことを報告いただいたり、親子で観察したエピソードをいただいたりも。もちろん「もっとこうしてほしい」というご意見をいただくこともありますが、私たちが目指している「学ぶって楽しい」や、「小学講座」のスローガンでもある『すべては、自分で考える力から』につながるお声をいただいたときは、開発者冥利に尽きるといますか、本当にうれしい瞬間ですね。

時代とともに教具も進化させたい

中野
今は、スマートフォンやゲームをはじめ、子どもたちの興味を惹くメディアがそこかしこにあふれる時代です。もちろん、これからも新しいものがどんどん生まれてくるとも思いますが、そんな限られた時間の中で、進研ゼミを自ら進んで使っていただく時間を作っていきたいとおもっています。私たちももっと世の中の変化に敏感になり、お子さまたちの興味関心につなげることで、より「学びって楽しい」につながる価値のある教具を、お届けし続けていきたいと考えています。

聞き手・文:竹倉 玲子(ライター)

撮影:デザインオフィス・キャン

(2019年10月取材)

ここでご紹介している名称・デザイン・内容・お届け月などは変わることがあります。ご了承ください。

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