Benesse 「よく生きる」

EPISODE 学びを支えるストーリー 将来必要な力が
身につく

社会が大きく変化する今
新たな発想で「真に必要な学び」に
挑む未来の学びプロジェクト始動
未来の学び社会課題共創
『子どもの未来に寄り添うプロジェクト』総合責任者 城座 多紀子(しろざ たきこ)
ベネッセコーポレーション入社後、「こどもちゃれんじ」の営業・編集、海外事業推進室、「進研ゼミ」小2講座編集長などに従事。現在はベネッセホールディングス社長室・未来の学び開発課で本プロジェクトを推進する。
社会環境が大きく変化するいま、子どもたちに必要になるのはどんな「学び」だろう? ――これまでの延長線上ではなく、新しい発想で答えを見つけようと始まったのが、ベネッセの『子どもの未来に寄り添うプロジェクト』です。その目指すところは、対話を通して子どもたちのやりたいことや個性・特性を引き出し、生き方のロールモデルとのたくさんの出合いを通して「自分の生きたい人生」を見つけ、歩んでいってもらうこと。企業の枠を超え多様な領域の人々と連携し、「新しい学びのあり方」に挑戦しています。活動の経緯と思いを、総合責任者の城座多紀子に聞きました。

「学び」を追求してきたベネッセだからこそ、今やるべきことがある

ベネッセグループで生まれたこのプロジェクトは、「未来起点でベネッセがやるべきことを考えてほしい」という経営層の投げかけを受け、自ら手を挙げた社員が企画構想に取り組み、スタートしました。多くのメンバーが教材や模試の編集、営業などを兼務していますが、それぞれの現場知見をもちより議論を重ね、具体化を進めています。長年、「こどもちゃれんじ」や「進研ゼミ」の編集などに携わってきた城座は、予測のできない未来を生きる子どもたちのために何ができるだろうと、考え続けてきた一人です。
「未来を起点に考える」にあたり、前提となった課題を聞かせてください。
城座
日本の教育はこれまで、子どもたちに同じ内容を同じペースで学ばせ、ひとつの物差しで評価するやり方が一般的でした。これまではそういった教育で産業や経済を急激に発展させることができましたが、これからの時代はそうはいかないのではないでしょうか。
世の中には様々な社会課題が山積みで、世界中の人とともに語り合い、めざすべき方向を合意し、問題を解決していかねばなりません。世の中が「well-being(よく生きる)」な世界観に向かうなか、「自分は社会を、こうよりよくしたい」という価値観を持って行動できる大人を増やしていく必要があります。
ベネッセはこれまでも、時代に沿った「学び」を開発してきました。今ご提供している商品・サービスも、十分に子どもたちに寄り添ってきたという自負もあります。ただ一方で、20年後30年後を見据えた学びのあり方をベネッセの内側からも考えていくことは、社会が先行き不透明な今こそ、とても大事だと考えたのです。

「対話型の学び」で個性や特性を引き出す

新しい発想ですね。どんな学びを目指していますか。
城座
これからの子どもたちに必要なのは、一人ひとりの個性や特性を認め受け止め、この子は何がしたいのか、何が好きで何が得意なのかを引き出し、伸ばしていくことです。
大人が一方的に「与える」だけではなく、子ども自身の中から湧いて出てくる学びたい気持ちを大事にし、学びを自ら選び取る体験を積み重ねることで「生きたい人生」を自分でデザインしていけるようになる。そういう「学び」を創り出したいです。
具体的なアプローチは?
何をやるべきか、メンバーとたくさんの議論を重ねた結果出てきたのは、一人ひとりの子どもとちゃんと「対話」をすること。たとえば、家庭で親御さんと子どもがしているような、あるいは学校の先生と子どもがしているような対話もその機会かもしれません。そこに第三者としての大人が斜めの関係から関わることで、多角的にいろいろな価値観で子どもをみていくことが可能になります。
複数の大人が目をかけ、声をかけながら、子どもの内にあるものを認め、それを引き出す「対話」を丁寧に重ねていく。そうした学びの在り方が、コロナ禍で「オンラインやデジタルの環境」が大きく変遷を遂げた今だからこそ、可能になると考えています。

議論を重ねた資料の一部。構想を具体化した施策が順次始まっている。

教育を変えるには大人の価値観もアップデートを

子どもたちと向き合う大人のあり方も問われますね。
城座
教育を変えていく時には、子どもを既存の物差しで計らないように、私たち大人の価値観もアップデートする必要があります。
大人も「こういう生き方もあり、面白い人生が送れるのだ」と気づき、「じゃあ自分はどうなっていきたいか」を考え行動するようになるといいですね。子どもはその姿を必ず見ていますから、互いに刺激を受け、感化されあうフラット(対等)な関係性が築けますよね。大人が、夢みたり、失敗したり、くじけたり、チャレンジしたり。いろいろな姿を見せればよいと思うのです。そのためにも、大人も子どもも、さまざまなロールモデルに出合えるようにできればと思います。
もともとベネッセは、教育を子どもだけで捉えずに、親御さんとともに家庭の中で生まれる「学び」として捉えてきたので、そこは変わらず大事にしたいです。

みんなで対話を続け答えを探す、そのプロセスが大事

多様な方々との「共創」を始めていますが、そのねらいは?
城座
「未来の学び」を創るプロセスは、答えのない世界だと思っています。導き出したものに向かうのではなく、曖昧で不確かで変動性の高い未来だからこそ、みんなで探し創り上げていくものではないかと。

未来の学びについてすべてのおとなたちと一緒に語り合えるオンラインコミュニティも開設

3年後、5年後、課題はきっと変わっていきます。だからこそ対話を続け、答えを探し続けることが重要です。ベネッセならその環境をご用意できると信じて取り組んでいます。多くの人に参加いただき、想いや意見を交わしながら、子どもたちの未来に寄り添っていきたいです。

2022年7月取材/ご紹介している情報は変わることがあります。ご了承ください。

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