AJS株式会社は、製造現場から経営管理まで幅広いITライフサイクルの支援を行う企業です。2022年10月よりUdemy Businessの活用を開始し、システムエンジニアをはじめとする社員の知識・スキル強化を推進しています。今回は人事部の上柿さん・佐藤さんに、Udemy Businessの活用状況や今後の学びの展望について伺いました。

エンジニアの多様な学習ニーズにすぐに応えるべくUdemy Businessを導入

AJSはTISインテックグループの一員として、製造現場の運営や経営管理をサポートするITシステムの開発・保守・運用を行っています。Udemy Business導入前はエンジニアのスキルアップに対するニーズが多岐にわたる一方で、一つひとつのスキルを必要とする人数は少ないため、集合研修での対応は難しいという課題がありました。

「集合型研修を実施するにも、受講する人数が少なくて講師を呼べなかったり、人数が集まったとしても準備期間が必要になったりと、『今すぐ受講したい』というニーズに応えられないもどかしさがありました。技術の進歩がめまぐるしく、スキルの有無が何よりも重視されるIT業界において、教育に即時性を持たせられないことは大きな課題でした」と上柿さんは説明します。

そこで、受講者の数に関係なくコンテンツが見られる学び放題のサービスを検討し、Udemy Businessの導入に至りました。「ITを含めた実践的なコンテンツを自由に選べること、最新のスキルを習得できることが大きな決め手でした」と佐藤さん。学習進捗管理機能で社員の学習状況がすぐ把握できることもポイントとなりました。

図1 導入前の課題と導入の決め手

「希望者の募集+1on1」の組み合わせでUdemy Businessの目的を明確化

AJSでは利用を希望する社員へアカウントを付与しており、上司との1on1等を通して必要とされるスキルやUdemy Businessの視聴目的をしっかり整理したうえで学習をスタートしています。「利用希望者に対し、どのような講座を受けたいのか、どの資格を取りたいのかという目標を半期ごとに上司とすり合わせたうえでアカウントを付与しています」(佐藤さん)
この取り組みの背景には、事業の方針と個人のキャリアについて、上司部下間ですり合わせを行い、両者合意のもとに研修受講や資格取得等を進めてほしいという思いがあります。

受講しやすさを追求し、学習時間の増加を実現

今ではUdemy Businessを使った学習が社内に浸透し始めていますが、利用を開始してから最初の4か月は、ログイン率がおよそ半分と低迷した状態でした。そこで人事部ではさまざまな活用促進策を実施することにしました。

受講しやすくするための工夫について、佐藤さんは「Udemy Businessは講座数が非常に多いため、受講者自身で絞り込むのは大変です。そこで、社内でニーズのある講座を中心にカスタムカテゴリーを設定し、学びたいものを探しやすい環境を作りました。特にAWSやマイクロソフト関連の講座は人気があり、多くの社員が学んでいます」と話します。

また、受講者の利用実態に合わせて受講履歴の管理方法を変更しました。従来は動画をすべて見れば1講座を受講したというカウントでしたが、今では講座の10%以上を視聴した場合0.5講座、70%以上を視聴した場合1講座受講したとして受講履歴を管理しています。
その理由について、上柿さんは「Udemy Businessの使い方を分析すると、スキルの概要を知るために講座の冒頭だけ見たり、知識のあるベテランエンジニアが講座の一部だけ見たりするパターンもあります。必ず100%視聴するよりは、10%や20%など少しかじるだけでもいいですし、とにかく興味があったらのぞいてみるような使い方も促進できれば、普段の業務にうまくUdemy Businessの学びが組み込まれていくのではと考えました」と説明します。 またあるチームは、特定の講座を視聴したうえで週に1回、学習したことを発表する場を設けています。会社からは特に指示を出したわけではなく、チームが自主的に始めた取り組みですが、学びと日常業務をスムーズにつなげる一つの好事例だと言えるでしょう。

図2 受講者状況と取り組み


学習環境の整備により資格受験率が向上、学びの風土が定着

Udemy Business導入後の大きな成果の一つに、資格の受験率の向上があります。以前はIPAやAWSといった資格を取る際、社員がそれぞれ書籍や通信講座などで学んでいました。しかし、この方法は社員の金銭的負担やモチベーション等に関する課題がありました。

Udemy Businessの費用は会社負担であることに加え、様々な資格取得に関する対策講座があることから社員の負担がかなり軽減しました。また、上司と部下の対話によって「こういう知識が今必要だから、Udemy Businessで学んでみよう」という形で新たなスキル取得にチャレンジする事例も増えており、社内に学びの風土が定着しつつあります。

Udemy Businessは若手社員にも非常に好評です。上柿さんは「近年、20代を中心とした若者はタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する傾向があります。自分たちがやっていることについて、本当に時間を使う価値があるのかを常に考えているようです」と近年の若手の傾向を分析します。

そこでAJSでは、研修において講義形式のものは基本的に動画にて学習、ディスカッション形式のものは対面実施と使い分ける形に変更しました。「Udemy Businessの動画はわからなければ繰り返し視聴でき、わかっている部分は1.5倍などの早送りで見る機能もあり、タイパ世代にも受け入れられている」と佐藤さんは話します。

図3 導入後の変化

学びの文化醸成をさらに推進し、エンジニアのスキル底上げへつなげる

今後の学習促進や人材育成の展望について、上柿さんは次のように話します。

「事業戦略に基づいた人材育成の拡充はもちろん、全社員のスキルの底上げにおいてUdemy Businessは非常に有用なツールだと考えます。個々のレベルに合わせて講座を選べ、部分的な視聴で今すぐ必要な知識を得られるUdemy Businessの活用を社内に広げていきたいと考えています。さらに、学習の目標立案や進捗確認においては上司と部下の対話が必要不可欠です。個人の強みを伸ばし、弱みを克服するために今学ぶべきものは何か、上司・部下がそういった共通認識を持つためのコミュニケーションツールとしても活用の幅を広げたいと思います」

「社員にはぜひUdemy Businessをフル活用してほしい」と語る人事部の皆さん。現在は社内広報を使って受講者に人気の講座などを知らせる取り組みを行っていますが、今後はより周知し、学びやすい環境づくりの推進を続けます。スキルの高い人材を数多く育成すれば、自社のさらなる競争力強化につながります。これからも成長を続け、ITを通してお客様をはじめとするステークホルダーの皆様を笑顔にすることをめざしていきます。