NECソリューションイノベータ株式会社は、SI事業の高度化と急速な技術進化に対応するため、最新技術を網羅した研修を技術者に迅速に提供する目的でUdemy Businessを導入しました。同社では、内定者から高度人材育成まで、幅広い技術者育成のための学習基盤としてUdemy Businessを活用しています。今回は、同社の技術者育成に携わるHR統括部 L&Dグループの皆様にお話を伺いました。

技術トレンドへの対応が急務で、Udemy Businessを導入

NECソリューションイノベータは、NECグループの中核企業として「システム実装力」を最大の強みとし、あらゆる業種・領域のシステムの構築から運用までを網羅的に手掛けてきました。近年、SI事業の高度化に加え、急速に進化する技術に対応し、現在の事業領域を次のステージへと進化させる必要性に直面していました。

HR統括部 L&Dグループで技術者育成の企画運営を担うプロフェッショナルの松本好則さんは、その背景について次のように語ります。

HR統括部 L&Dグループ 松本好則さん
HR統括部 L&Dグループ 松本好則さん

「当社はNECグループで最も多くのシステムエンジニアを抱える企業であるため、最新技術に精通した技術者を育成する責務があります。また、SIerとしてお客様のDXを支える使命を果たすとともに、AIやAXといった最先端の技術や新しい開発手法を取り入れて社会課題に取り組み、社会貢献したいと考えていました」

しかし近年、従来の技術者の育成方法では、急速な技術の進化に対応しきれないという課題に直面していたと、松本さんは語ります。

「これまでは、L&Dグループが必要とされる知識や技術を想定して社員研修を内製し、提供してきました。しかし、技術の進化が著しく、多種多様なレベルに対応する研修を社内で整備することが難しくなってきていました」

その課題に対応し、社員が最新の技術を自由に学べる環境を整備するため、2019年度からオンライン学習基盤としてUdemy Businessを導入しました。

内定者から高度人材の育成まで、Udemy Businessを活用

Udemy Businessは、同社の人材育成において、主に次の4つの取り組みで活用されています。

1.若手社員に対するDXスキル教育の実施

入社5年目までの全社員にUdemy Businessのアカウントを付与。若手のうちに身につけてほしい、ITやDXのベースとなる知識・技術の講座をジャンルごとに選定したラーニングパスを提示し、社員が必要に応じて自律的に学習できるよう支援。

2.キャリア入社者の早期戦力化支援

近年増加しているキャリア入社者の中に含まれる、経験の浅いエントリーレベルの人材がいち早く戦力となるよう、現場で求められる知識・技術をキャッチアップするためにUdemy Businessを活用。

3.内定者への入社前研修の提供

2025年度の新卒採用入社者から、内定期間中もUdemy Businessの利用を可能に。業務に必要な知識を学ぶラーニングパスを入社前に提示し、入社前研修を充実させることで、「即戦力となる社員」を求める現場のニーズに対応。

4.強化領域人材育成施策の実施

DXを軸とする新たなビジネスモデルへの変革を加速するため、AI、クラウド、アジャイルなど、事業構造の変革を牽引する主要11分野を強化領域と定め、人材育成プログラムを用意。同施策の参加者に、希望制でUdemy Businessのアカウントを付与。

強化領域人材育成施策の実施

強化領域人材育成施策で、スペシャリストの育成を強化

強化領域人材育成施策には、高度な知識・技術を身につけたい社員向けの「ベーシック」と、スペシャリストを目指す社員向けの「アドバンス」の2種類のプログラムがあります。参加に際しては、基本的に上司の推薦が必要ですが、募集枠に余裕がある領域については一部希望制も取り入れています。

ベーシックは、ITSS(ITスキル標準)のスキルレベル1〜2に相当する内容で、主にUdemy Businessの講座を活用しています。アドバンスは、ITSSスキルレベル3〜4を目指すハイレベルな内容で、NECグループの研修や外部ベンダーの研修を組み合わせて、実際のプロジェクトを想定した実践的な課題に取り組みます。社内研修だけでは対応しきれない様々な技術領域の知識まで、Udemy Businessでカバーしています。

OJTだけでも、e-Learningだけでもない。OJT+Udemy Businessを使った学習で、必要な知識を着実に身に着けていきます

同施策のカリキュラム設計にあたり、L&Dグループが最も重視したのは現場との連携です。同グループの福盛真也さんは、連携の重要性について次のように述べます。

HR統括部 L&Dグループ 福盛さん
HR統括部 L&Dグループ 福盛さん

「現場で使っている知識や技術をカリキュラムに反映させなければ、施策の実効性の低い内容となってしまいます。そのため、領域主幹と呼ばれる現場の技術者と協力し、カリキュラムを作成しました」

Udemy Businessはカリキュラムの一部で利用するほか、参加者の復習ツールとしても位置づけているとL&Dグループの冨井乃愛さんは説明します。

HR統括部 L&Dグループ 冨井さん
HR統括部 L&Dグループ 冨井さん

「私たちが用意したカリキュラムだけでは、どうしても手薄になる領域があるため、それをUdemy Businessの受講で補ってもらい、各自のレベルに合わせて着実にステップアップしてほしいと考えています。」

非技術職からエンジニアへ、キャリアチェンジを支えるUdemy Business

実務未経験で中途入社した社員の方に、Udemy Businessの活用法を伺いました。トランスポート・サービスソリューション事業部門 第二トランスポート・サービスソリューション統括部 第五卸グループで、卸売業向けのシステム開発を担当する山下蒼空さんはエンジニアとして、物流・卸業のシステム開発に携わっています。

山下さんは、前職ではITコンサルタントとして勤務していましたが、「自分の手でシステムを作りたい」という思いから、実務未経験ながらエンジニアへのキャリアチェンジを決意し、同社に入社。入社後は、未経験者向けの研修プログラムに参加後、実務と並行してUdemy Businessを受講してスキルを磨いたといいます。

トランスポート・サービスソリューション事業部門 第二トランスポート・サービスソリューション統括部 
第五卸グループ 山下さん
トランスポート・サービスソリューション事業部門 第二トランスポート・サービスソリューション統括部
第五卸グループ 山下さん

「Udemy Businessの受講推奨講座のリストを参考に、業務に必要な講座を選び、学習を進めていきました」(山下さん)

Udemy Businessは、資格取得の学習においても効果を発揮しました。山下さんは基本情報技術者試験に関する講座を受講して見事合格。現在は応用情報技術者の取得に向けて勉強中です。

 「講座内容は、過去問をベースにしてあり、短いパートに区切られています。そしてパートごとに確認テストがあり、知識が定着しやすい構成でした。電車通勤なのですが、隙間時間でも学習を少しずつ進められるので、無理なく続けられます。動画をダウンロードしてオフラインでも見られるので、地下鉄でも学習可能です」(山下さん)

山下さんは、業務においてAI活用にも積極的に取り組んでおり、所属グループのAIタスクフォースに自主的に参加しています。社内で利用しているCopilotの理解を深めるために、Udemy BusinessのAI関連講座を受講しました。

 「タスクフォースの初回ミーティング前に講座で予習しておいたおかげで、議論にも入りやすく、知識を活かせた実感がありました」(山下さん)

現在、山下さんは次のキャリアに向けて「プロジェクトマネジメント」や「品質管理」を学んでいます。

「上司との1on1を通じてキャリアの方向性を相談して、受講講座を決めました。キャリアに向けての勉強は、勤務時間中に学習可能であることは、学習継続の大きな要因となっています」

最後に、Udemy Businessをまだ使っていない方へのメッセージを尋ねると、山下さんはこう語りました。

 「勉強したいことを検索するだけで、すぐにおすすめの講座が見つかります。新しいことを始めたいときや、初めての業務に挑戦するときの“最初の一歩”として使ってみるのがおすすめです」

Udemy Businessの活用率は約8割と、高水準を維持

同社におけるUdemy Businessの受講者の累積活用率は約8割と、非常に高い水準を維持しています。その理由を冨井さんは次のように分析します。

「アカウントの継続条件は、年間100分以上の視聴と1講座以上の修了としていますが、継続率が高い背景には、明確な学習意欲を持った社員の増加があると考えています。毎年3月に実施している利用者アンケートでは、『知識を身につけたことによって、自分のキャリアや仕事に活かせた』『Udemy Businessは、いざという時に自分が勉強できる場所』といった声があり、Udemy Businessが社員のキャリア構築に役立っていることが確認されています」

同社は2025年度からジョブ型人材マネジメントを全面導入しており、その変化もUdemy Businessの活用を後押ししていると、松本さんは話します。

「ジョブ型人材マネジメントは、キャリア自律の考え方を基盤としているため、キャリア形成のための知識習得について、会社からの指示よりも個人の意思を尊重しています。その代わりに『自分のやりたい仕事をしよう』『そのためにUdemy Businessが利用できる』というメッセージを打ち出しています。どの講座を選択し、どの程度の時間を費やすかについても、社員本人に委ねています。にもかかわらず、継続率が高い水準なのは、個人の高い意欲を持つ層が自発的に行動している結果だと分析しています」(松本さん)

人材育成による事業貢献を可視化

Udemy Businessの活用による成果の一つが、DX人材育成の目標達成です。福盛さんは、成果を次のように話します。

「NECグループ全体では、2023年までにDX人材を10,000人育成するという目標を掲げており、すでに達成しています。2025年には12,000人規模まで拡大する計画ですが、こちらも達成が見込まれています。」

前倒しで目標を達成した背景には、経営層からの強いDX推進のメッセージに加え、学びの風土が醸成されてきたことが影響していると、松本さんは述べます。

「一人ひとりの社員が自分のキャリアアップを見据え、最先端の知識・技術を学ぶという風土が定着してきていると感じています」

さらに同社は、人材育成が事業成長にどう貢献できているかを測るため、案件数といった事業データと人材育成に関するデータを照らし合わせた事業貢献度の可視化に取り組んでいます。

「過去には『強化領域人材育成施策に参加した社員が、実際に当該領域の業務に従事しているか』をアンケート調査しましたが、回答者の主観が回答に反映されやすく、実態を正確に捉えることが困難でした。案件数といった客観的なデータを組み合わせれば、どのように事業に貢献できているかを分析できると考えました」(松本さん)

分析の結果、2024年のDX人材の増加数のうち過半数はUdemy施策で知識習得をしていたことがわかりました。加えて、OJTのみを受けたDX人材よりも、OJT+Udemy施策または強化領域施策を受けたDX人材の方が、一人あたりのDX案件工数(時間)が多いことがわかりました。

また、2024年度末時点で強化領域人材育成施策を修了した約4,600人について、それ以外の社員と比較して、DX案件に従事する割合が20%向上したという結果も得られました。

「会社全体としてDX案件が増えており、業界に先んじて強化領域人材育成施策を実施し、クラウド系などの人材の育成を進めていたおかげで、スムーズなアサインにつながったと感じています。さらに、強化領域人材育成施策修了者がDX案件に着実に従事していることが確認でき、施策の方向性が正しかったと確証を得ることができました」(福盛さん)

自律的な学びと、学び×ジョブの連動へ

Udemy Business を学習基盤とした人材育成施策により、DX人材育成の目標達成に貢献するという大きな成果を収めた今、L&Dグループは、次のステップとしてキャリア自律に向けたUdemy Businessの活用促進に取り組んでいます。

福盛さんは、今後の展望を次のように述べます。

「現在、ジョブ(職務)ごとに必要なスキルを定義しています。最終的には、『このジョブを目指す場合は、Udemy Businessのこの講座がおすすめ』といったレコメンド機能を設け、社員がより自律的に学習できる環境を整えたいと考えています」

また、強化領域の見直しも継続的にしていくと、松本さんは話します。

「11領域を強化領域としましたが、技術の進歩に応じて常に新しいテーマを取り込んでいかなければなりません。具体的には、生成AIやNECグループが力を入れているセキュリティ分野を強化したいと考えています」

そして、Udemy Businessを基盤として、「学ぶ文化のさらなる定着」を目指したいと、松本さんは語ります。

「企業の成長には、社員が必ずしも現在の業務にとらわれることなく、自らのステップアップに努めていくことが重要です。多様な研修を積極的に活用し、自律的に学ぶ文化をいっそう定着させたいと考えています。将来的には自律的な学習を業績評価と連動させることも検討しています」