2025.09.25
オンラインの学びで生まれた700点超の作品が、直島へ。初開催「みんなのアート大展覧会」
生成AIの急速な普及により、正解らしき答えを得ることはこれまでになく容易になりました。一方で、正解のない問いに向き合い「自分なりに考えて表現する力」の重要性はますます高まっています。
2026年の夏、ベネッセのオンラインならいごと「チャレンジスクール」では、アート講座を受講する幼児から小学生の子どもたちが制作した作品を、香川県・直島の海の駅「なおしま」で展示しました。普段はオンラインで行われるレッスンの画面越しに見せ合う作品が、「アートの島」として知られる直島の玄関口を色鮮やかに彩り、国内外から訪れた人々の目に触れた今回の展覧会。その様子と、開催に込めた思いを担当者に聞きました。
「直島を知る」から、「直島に作品を届ける」へ。700点超の作品を初めて展示
夏休み中の2026年8月21日と22日。直島の宮浦港に建つ海の駅「なおしま」のギャラリースペースに色鮮やかな作品がずらりと並びました。「みんなのアート大展覧会」と題した会場に展示されたのは、チャレンジスクールの「オンラインアート」講座で学ぶ子どもたちが制作した700点を超える作品です。
瀬戸内海に浮かぶ人口約3,000人ほどの小さな島、直島。ここでは、ベネッセコーポレーションと公益財団法人 福武財団による、アート活動「ベネッセアートサイト直島」の取り組みが約40年と長きにわたり展開されています。地域固有の自然や文化にアートや建築を融合し、時間をかけてその場所にしかない価値を育んでいく。そして、多様な現代アート作品との出会いに加え、瀬戸内の風景や地域の人々との触れ合いを通じてこの地を訪れる一人ひとりが「Benesse(よく生きる)」を考える。そんな独自の活動が国内外から注目を集め、今では世界中から年間約70万人もの人が訪れる場所となっています。
チャレンジスクールの「オンラインアート」講座では、これまでもベネッセならではの学びとして、直島に関連するレッスンを実施。また、受講生の作品をWebサイト上で発表するオンライン展覧会も開催しています。今年はその取り組みが一歩進み、子どもたちが制作した作品を実際に直島へと届け、多くのアートファンが行き交う場所での初めての展覧会が実現しました。
「この作品、いいね!」「何を表しているんだろう?」。当日会場を訪れた人々は、一つとして同じものがない作品の前で足を止め、子どもたちの自由な発想に思いを巡らせながら、熱心に見入っていました。
「上手に描く」だけじゃない。オンラインで育む、自分らしく表現する力
「チャレンジスクール」は、ベネッセが提供する送迎不要、自宅から参加できるオンラインの習い事サービスです。全国どこにいても、各分野で活躍する一流講師によるリアルタイムのレッスンを、同じ興味を持つ仲間とともに受けることができます。
そろばんや習字、ダンス、プログラミングなど、多彩な分野の学びを展開する「チャレンジスクール」。その一つが、年中から小学6年生までを対象とした「オンラインアート」講座です。受講生は月2回、現役で活躍するアーティストの先生によるレッスンを受け、表現力や想像力を伸ばしながら学んでいきます。
大切にしているのは、一人ひとりの「自分らしい表現」です。レッスンでテーマやアートの技法を伝えても、何をつくり、どう表現するかを決めるのは子どもたち。講師は出来上がった作品を受け止め、それぞれの工夫や魅力を具体的な言葉で伝えながら「どんな風に考えてこうしたの?」と問いかけ、子どもたちの思考を引き出していきます。
受講生同士も画面越しに作品を見せ合い、自分とは異なる発想や表現に触れながら、互いの良さを認め合います。こうしたやりとりを重ねる中で、自分なりの表現を楽しみ、それを言葉で伝える経験も積み重ねていきます。その変化や成長を保護者が近くで見守れることや、講師の声かけを家庭での関わり方の参考にできる点も、受講する家庭から支持されています。
子どもたちの作品が教えてくれた、アートの力
直島で行われた展覧会の終了後、企画を担当したベネッセコーポレーションの浦田 千晶(オンライン塾事業部)に、今回の取り組みの狙いや、全国から寄せられた子どもたちの作品を直島で展示することに込めた思いを聞きました。
「これまでも、ベネッセならではのアート講座ということで「ベネッセアートサイト直島」と連携したレッスンは行ってきましたが、今回はそこから一歩進んで子どもたちの作品を実際に直島で展示をしたいと考えました。アート講座を受講する子どもたちにとって、世界中から人が集まる「アートの島」に自分の作品が展示されることは他にはない特別な刺激になる。そう思ったからです。
受講生には、事前に直島がどんな場所であるかや、ニキ・ド・サンファールの作品について知ってもらったうえで、色画用紙や折り紙を切り、偶然生まれた形を元に自分なりの発想を広げて作品を制作してもらいました。直島や海をイメージする子もいれば、まったく自由な発想で表現する子もいて。直島から得た刺激をそれぞれが表現して出来上がった作品にはみんなの個性があふれていました」
実際、展覧会の会場には、一人ひとりの表現の違いや個性が強い魅力を放つ、色とりどりの作品が並びました。会場に置かれたQRコードからつながるWebの感想投稿フォームには、この展覧会に立ち寄って作品にふれた国内外の人からの温かい言葉もたくさん寄せられました。
展覧会当日、会場で来場者を迎えた浦田は、子どもたちの作品を挟んで国内外の人々と会話を交わしながら、自身の原体験とも重ね、改めてアートの力を感じたといいます。
「会場では国内外からのさまざまな来場者の方々と直接お話をしました。ご自身の国でアートクラスを開いている方や、アートが好きで直島に訪れた方…みなさん子どもたちの作品を見て、色の使い方や素材の組み合わせ、年齢による表現の違いなどにも着目しながら色々な言葉をかけてくださったことが印象的でした。
私は小学生のときに親の仕事の都合でアメリカへ引っ越し、当時は英語がまったく分からず、コミュニケーションにとても苦労しました。それでも、日本にいた頃から続けていたピアノがきっかけになって友達ができたり、周囲の人と少しずつ話せるようになりました。今回の展示でも、純粋に作品そのものを見て楽しまれている来場者の方々の様子を見るうちに、アートもまた国や文化、言葉の壁を超えて人と人をつなぐきっかけになり得ると改めて感じることができました」
展覧会で得られた新たな気付きを元に、これからの学びにどうつなげていくか。最後に今後の展望を聞くと、浦田は次のように話してくれました。
「今回、初めて直島という場での展覧会が実現できました。まずは、この機会に国内外の来場者から寄せられた、保護者や講師とはまた異なる視点からのメッセージを、受講生の子どもたちに届けたいと思っています。それが、子どもたちの視野を広げ、今後の表現や制作への自信、新たな刺激になればと願っています。
これからもベネッセらしいアート講座として、直島という特別な場所を活かした学びを届けていきたいと思います。そして、子どもたちには自分なりの作品や表現を深めながら、作品を通じて全国や世界とつながり、自分の世界を力強く広げていってほしいと思います」
オンラインレッスンを通じて生まれた作品が、直島という場所に並び、国内外から訪れた人々の心を動かす。そして、そこで生まれた言葉が、再び子どもたちのもとへ届き、新たな表現や挑戦につながっていく。そんな学びの循環が生まれることを目指して。今後も子どもたちの創造性や表現力を育む「チャレンジスクール」の取り組みは続いていきます。
情報協力
- ベネッセのオンラインならいごと「チャレンジスクール」
- https://www.benesse.co.jp/zemi/challengeschool/
- 浦田 千晶
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株式会社ベネッセコーポレーション オンライン塾事業部 2009年入社。「進研ゼミ」の英語教材編集やベルリッツでの教室マネジメントなど、一貫して英語教育領域に従事。2度の産休・育休を経て、「進研ゼミ」高校講座を担当後、現在は「チャレンジスクール」にてアート・デジタルクリエイター講座の運営を担当。