CASE STUDY

ビッグデータの利活用で一人ひとりが自ら学び続けられる世界を実現。

ベネッセのDX推進3本柱の一つである「データ利活用」。260万人もの学びのビッグデータは、新たな教育サービスを生み出す可能性を秘めた情報鉱山といえる。そこから何を取り出し、どう活かしてきたのか?データソリューション部を率いる國吉啓介にベネッセの「データ利活用」の今とこれからについて話を聞いた。

國吉 啓介

Digital Innovation Partners データソリューション部 部長

教材企画・編集、デジタルサービスやシステム企画・開発、データ分析やAI企画開発を担当。

ISSUE(課題)

ひとりでは難しい学びの継続に寄り添う仕組みの必要性

学力向上には、学びの「継続」が不可欠ですが、これがひとりではなかなか難しい。その解決のためには、学習状況に合わせた教材の準備や、モチベーションを高めることなど、一人ひとり、場面場面にあわせて寄り添える仕組みの進化が必要でした。教材知見、デジタルサービス開発知見、データ知見がある担当、AI開発力がある協力パートナーなど、様々なスペシャリストが集まり、この進化の具現化を進めていきました。目指すのは「一人ひとりが自ら学び続けられる」世界ですね。

人は誰でも一人ひとり、その人ならではの才能や情熱を持っています。またそれぞれに得意なことがあり、苦手なことがあります。私は教育サービスにおいて、そうした個人差を踏まえながら、一人ひとりの成長を応援する“個別化された学び”が、さらに求められていくと考えています。現代はテクノロジーの進化により、学びに関する膨大なデータが蓄積できるようになった時代であり、可能性に満ちています。これらのデータをうまく使えば、一人ひとりの学びはもっと良くなる、アップデートできると私は信じています。そのためにどうデータを利活用していくか、毎日それを考え続けています。

SOLUTION(ソリューション)

ベネッセならではのデータ蓄積を活かし、個々の学習者に最も実力が伸びる学習ルートをAIが導き出す学習アプリ『AI StLike(AI ストライク)』等の新サービスを開発

私はデータ利活用によるDXの推進を担当しています。私たちの持つ膨大なデータをお客様一人ひとりへの価値提供に結びつけていくことで、サービス価値を向上し事業成長へとつなげられるよう日夜奔走しています。具体的には、データを活かすプロジェクト推進、環境づくりに重点を置いています。
「データを活かすプロジェクト推進」は、よい商品やサービスを生み出したり、事業やマーケティング戦略を考えたりしていくうえで、課題がどこにあるのか、どう解決するか、要因を解明し、打ち手につなぐ活動で、AIによる新しい価値づくりや事業の機会点を生み出す挑戦などもしています。
「環境づくり」は、データ利活用に向けての環境整備や業務プロセス改善を進める活動です。社会変化や技術変化のなかで、いかに安全性が高く効率的なデータの流れをつくっていくか、知見を積み上げ、磨いています。

例えば、理解度や苦手傾向を分析し、本人にとって最適な問題を出題する「AI問題演習」、そして、課題への取り組みからすぐに結果が反映される「リアルタイム実力判定」を組み合わせた「AI StLike(AI ストライク)」や、その日にとれる勉強時間に合わせて、もっとも効率よく得点を上げられる学習内容をAIが提案してくれる、中学生向けのサービス「AI Navi」といった新サービスを、商品開発チームのプロジェクトに参画し、一緒につくりあげました。

RESULT(結果)

AIトレーニング後に正解者の割合が約9割まで向上。日本e-Learning大賞の経済産業大臣賞を受賞

「AI StLike(AI ストライク)」は、日本e-Learning大賞の経済産業大臣賞を受賞したのですが、AIトレーニング後に正解者の割合が約9割まで向上したり、1ヶ月経っても理解が定着して忘れにくいなどといった成果がデータに現れています。学習効率のアップにつながったといえますね。また、たとえば大学受験を目指す高校生は、苦手を克服し成長を実感できることがモチベーションアップになりますが、小学生や中学生だと間違えること自体を嫌がる学習者も多いので、同じアプローチがうまくいくとは限らない、といった知見が我々に貯まっていくことも、次のサービス改善につながる成果と言えると思います。

PERSPECTIVE

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今後の仕事におけるチャレンジを教えてください。

「今の時代だからこそ必要な学び」や「自分が楽しいと思えて、もっと深く探求していきたいと思える学び」など、これからは学びのかたちも変化していくと思っています。そんな中で、一人ひとりの成長を応援する“個別化された学び”をどう進化させてがんばる気持ちを支えていくかが、今後のチャレンジです。
データ利活用の世界では、以前は扱うことが難しかった、自然言語など様々なデータの利用技術開発が進んでいます。技術が進み、扱えるデータの幅も増えることで、さらに出来ることが広がっていきます。技術は進歩し続けていますから、それをどう社会に役立つものにしていくか、チャレンジしていきたいです。

今回の取り組みにより、企業理念「よく生きる」はどう実践できましたか。

私は一人ひとりのがんばる気持ちを応援したいと思っています。お客様一人ひとりの学びを支援する商品やサービスを生み出していくことは、学ぶ楽しさを知る機会を増やしたり、学びを通して得られる生きる力や豊かさにつながったり、お客様の「よく生きる」の実践につながっていくと思っています。また私自身も、新しいチャレンジをしていくなかで、たくさんの課題に遭遇しました。走りながら学び、いろいろな方に助けていただいてそれが力になり、自分自身も毎日成長している実感があります。大変なことや、うまくいかないこともたくさんありますが、チャレンジし続け、壁を越えていく体験が、私自身の「よく生きる」にもつながっていると思っています。

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