DIGITAL INNOVATION PARTNERS
by Benesse CorporationSince 2021
既存事業の生成AI活用。事業部理解とコミュニケーションから生まれる「信頼」が進化の鍵に

多方面で活用が進む生成AIだが、アセスメント領域での活用にチャレンジするのが、データソリューション部の小酒井 一稔氏だ。前職で培ったコンサルティングスキルを活かし、R&Dと事業の間を取り持ちながら、エンジニアとしての経験も活かして成長する小酒井氏が、ベネッセに入社して見た「自己実現」のための道筋とは? ※インタビューは2024年に実施

小酒井 一稔
Digital Innovation Partners データソリューション部 大社データソリューション課 課長
NTTデータにてソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタート。グループ会社に出向し、国の医療情報化に関わる実証事業など、複数のプロジェクトでコンサルティング業務に従事する。NTTデータ復帰後は中期事業戦略策定やAI・機械学習ソリューションの営業等も担当。2019年10月にアクセンチュアに転職し、オンライン資格確認や電子処方箋に関するプロジェクトに携わる。2023年5月にベネッセに入社。主に大学・社会人領域の事業におけるデータ利活用推進を担当する。
NTTデータにてソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタート。グループ会社に出向し、国の医療情報化に関わる実証事業など、複数のプロジェクトでコンサルティング業務に従事する。NTTデータ復帰後は中期事業戦略策定やAI・機械学習ソリューションの営業等も担当。2019年10月にアクセンチュアに転職し、オンライン資格確認や電子処方箋に関するプロジェクトに携わる。2023年5月にベネッセに入社。主に大学・社会人領域の事業におけるデータ利活用推進を担当する。
TURNING POINT
転機これまでのキャリア
NTTデータ時代には開発から営業まで幅広く経験しましたが、グループ会社に出向した時期があり、そこで関係省庁をクライアントにした、医療情報連携のプロジェクトを担当しました。その後転職したアクセンチュアでも、全国23万の医療機関へのマイナンバーによる資格確認システムの導入サポートや、電子処方箋のプロジェクトでPMOやPMの役割をしていました。
どのプロジェクトも、社会的にはすごく意義のあるものでしたが、自分自身のライフステージが変化していく中で、もう少し身近なところで、たとえば自分の子どもたちが、健やかに成長していくために役立つような事業に携わりたいと思うようになりました。そこで医療だけでなく、介護や福祉、教育など、子どもの成長に関わる事業領域に目を向けたら、ベネッセがありました。
入社した理由
ベネッセに興味を持って調べていく中で、内製化も含めて、こんなにDXに本気で取り組んでいるんだと知りました。データ利活用の専門家もたくさんいる。ぜひ挑戦してみたいと思いました。お話しをする中で、これまでの営業観点からの経験を活かしながら、自分で機会を作って手を動かしながら技術面でのスキルアップに取り組むことは可能だし、むしろ成長していってほしいと言っていただき、すごく自由度があり魅力的だと感じました。
コンサルティング会社で上を目指していくと、当然ながら自分で手を動かす機会は少なくなっていきます。でもベネッセでは、自分の裁量で自ら手を動かすこともできるし、スキルアップの機会もある。それは手を動かすことを外に任せてしまうのではなく、中でちゃんとできるようにしようという意識があるからです。そういう体制を作ろうとしているんだと思いました。
入社にあたって特にこの事業領域に携わりたいという希望はなかったのですが、すでにデータ分析の仕方や仕組みが整っているところに自分が入るよりも新しいことを立ち上げる場所であれば、開発から営業までやってきたこれまでの経験も活かせると考えました。今担当している大学、社会人の領域は、ベネッセとしてもこれから新しく広げていこうとしているところで、自分に合っていると感じています。
振り返ってみると、大学時代や以前の職場で感じていたことなのですが、自分の良さや強みのようなものが、学習や仕事の経験のみならず、これまで関わった人達やその関わり方の影響を受けているのではないかと思うんです。強みの形成につながる体験が可視化・共有され、追体験可能な状態になったとしたら、新たな学びの形になるかもしれません。昔に比べて学びの選択肢は非常に増えています。その時最適な学びを選べるようにすること、また、後から振り返ったときに一連の学びや経験がどのような意味を持つのかを明らかにすること。ベネッセの事業領域が全世代に渡っているからこそ、こんなテーマにも取り組むことができるのではないかと思っています。
驚いたのは対応スピードの早さ
実際に入社して驚いたのは、変化の速さです。内製化しているから、事業状況や顧客の状況に敏感で、そのときにもっとも良いものを目指そうと考える。その結果、プロジェクトの優先度が変更になるなど、難しいところもあります。ただ、そういう中でも自分なりに課題を整理して提案すると、一気に動き始めたりする。変化が多い中でも感度高く物事を捉えて、動かすのは面白いです。
もうひとつの驚きは、事業部の人へ質問すると、すぐに返答が返ってくること。忙しいはずなのに対応してくれるのは、それだけ事業や顧客のことを真剣に考えていて、DXで課題を一緒に解決していこうという思いがあるからだと思います。だからこちらからも働きかけがいがあるというか、取り組む課題に対して、一体感を感じることができます。
CASE
プロジェクト生成AIを活用した自動作問プロジェクト
今取り組んでいるのは、思考力を測るアセスメント(GPS-Business, GPS-Academic)の作問プロジェクトです。問題の一例として、あるストーリーを読んで自分ならどう考えるかを答えてもらう形式があります。そのストーリーの文章と解答選択肢の作成に生成AIを活用できないかというところから始まった取り組みです。生成AIに正しく指示をするためには、問題文に必要な要素をAIが理解しやすいように言語化しなければなりません。これは技術領域としては自然言語処理になるので、R&D部門の専門家に相談しながら進めていくのですが、一方で、アセスメントで測りたい能力に対してどのような問題文にする必要があるのか、事業部にはそのノウハウの蓄積があります。両方がないとできないので、まずは事業部の人が使いやすい環境を整える必要がありました。
私は元々ソフトウェアエンジニアなので、大体このくらいなら手を動かせば作れるという肌感があります。ベネッセにはすでに生成AIが使える環境がありましたが、作問に最適化されたものではなかったので、まずそのための仕組みを作って実装しました。アプリを一から作るとなると一定の時間がかかるので、データ分析者が使用するような簡易的な仕組みを採用したのですが、プログラムが剥き出しのUIであったために拒否反応もありました。研修会を開いて使い方を理解してもらったり、質問をもらったらできるだけ迅速にしたりするなど、事業部の方々に技術に触れてもらうところから始めました。
生成AIを使って作問し、プログラムで繰り返し処理を実装すればたくさんのバリエーションを簡単に作れます。ただ普段からプログラムに触れていないと、なかなか発想できない。事業部の人に可能性を体感してもらえたことで、次のステップに進むことができましたし、様々な効率化アイデアが出てくるようになりました。
事業理解を深め、生まれた信頼
一方で、我々のチームでも作問担当者が受講する研修に参加して、理解を深めていきました。その結果、事業部とのコミュニケーションがしやすくなり、いろいろな要望も出してもらえるようになり、その要望をもとに、極力シンプルかつ手間が少なく結果が見られるような環境を整備していきました。心理的なハードルを下げる一方で要望を取り入れ、より良いものに改善していくということを今も続けているのですが、この工程のすべてに、これまでのキャリアで培ってきた経験やスキルが活かせていると思います。
問題文や選択肢がどのように作られているか、生成AIがわかるように言語化して、作問できるようにすることも大きなチャレンジですが、さらに次のフェーズでは、より少ない問題、短い時間でアセスメントができるようにしたいと考えています。アセスメントにかかる時間が短縮されれば、ほかの調査に時間を割くこともでき、採用する企業にも受験者にもメリットが大きい。そのためにはどういう問題が、受験者のスキルを適切に識別できるのかを明らかにする必要があります。難しい問題や簡単な問題など、様々なバリエーションの問題を作ることも必要になります。これらをAIを活用することで効率化することが目標です。
また問題の難易度や性能を検証するために、実際に人を集めてフィールドテストをしていますが、これがAIでパラメータを予測して評価、検証できるようになれば、事業に与えるインパクトは大きいです。過去の実績から、そういう良い問題を狙って作れるようにするところに、次はチャレンジしていきたいと考えています。
さらにその先には記述式の問題に対して、自動採点するといった領域もあります。入社した頃はちょうどプロンプトエンジニアリングが注目を浴び始めていて、やってみると自然言語処理の分野はかなり面白い。自分のスキルアップの意味でも、そこをもう少し突き詰める場を作りたいと思っています。R&D部門と連携して、自然言語処理の専門家の支援を受けながら、彼らが持っている知見を事業転用していくために、我々のチームでも知見を蓄えたい。そのために自分が手を動かして、新たなプロジェクトにしていきたいと思っています。
CAREER
キャリアQ:今後のキャリア
情報技術の観点でいえば自然言語処理、問題の識別性能や難易度というのは教育理論の分野であり、R&Dの領域です。そういったR&Dの知見をいかに事業転用していくか、その橋渡しができるところにいる自分がより深く知見を得ることで、転用できるチャンスが広がるのではないかと考えています。事業としてより面白いことができると思うし、自分自身のスキルアップのためにももっと学びたいです。もちろんプロジェクトとして求められることはありますが、そんな風に自分の興味のあるところを掘っていける環境があるのは、今後のキャリア形成という意味でも、やりがいという意味でも大きいと思います。
前職でもクライアントと伴走し社会課題の解決のために取り組んでいるという自負がありましたが、ベネッセでは自分の取り組みが事業にダイレクトに活きてきます。目指す事業や社会の姿に向かって案件を作って、それを実行することで自身もキャリアアップしていける。そういう自己実現ができる環境だとすごく思います。
Casual
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