Benesse 「よく生きる」

Learners’ Voice 学び続ける大人たち

学びで土台を固め直し、
キャリア構築に生かす

鳥越健太郎さん

プロジェクトマネージャー

2002年、東京海上システム開発株式会社入社(2004年に東京海上システム開発、日動火災システム開発、東京海上コンピュータサービスの3社が合併し、東京海上日動システムズとなった)。支払システム、請求収納システムなどの設計・開発担当を経て、その後プロジェクトマネージャーとして従事。現在は、ビリングシステムデザイン部にて各種保険料決済のプロジェクトマネージャーとして勤務している。
「人生100年時代」と言われる現在、人生を豊かにするためには、大人になってからも学び続けることが欠かせません。本コーナーでは学びにより自己実現を果たした方へのインタビューを通して、学ぶ気持ちの後押しや学び続けるためのヒントを発見し、学習者を応援していきます。

今回登場するのは、東京海上日動システムズ株式会社ビリングシステムデザイン部の鳥越健太郎さんです。プロジェクトマネージャーとして10年以上のキャリアを持ちながらも最新技術を学び、自身のスキルをアップデートし続けている理由をお聞きました。

オープン系開発への
移行に伴い
自身のスキルアップの
必要性を実感

東京海上日動システムズ株式会社ビリングシステムデザイン部の鳥越健太郎さんは、プロジェクト全体の管理を担うプロジェクトマネージャーとして働いています。プロジェクトマネージャーの業務は、プロジェクトの立ち上げから、開発スケジュールや予算の管理、外部パートナー・プロジェクト、メンバーの管理など多岐に渡ります。

鳥越さんがプロジェクトマネージャーの仕事に興味を持ったのは、大学時代の就職活動中だったと振り返ります。
「私は教育学部出身で、プログラミングは全く未経験でしたが、複数のIT企業の説明会に参加し、プロジェクトマネージャーという仕事に興味を持ちました。人と接することが好きで、人に役立つものを世の中に生み出したいという思いがあり、プロジェクトマネージャーはそうした自分の希望を叶えられる職種だと感じたからです」

鳥越さんは、保険料の支払システムや請求収納システムの開発担当者を経て、入社9年目からプロジェクトマネージャーとして、チームをまとめる立場になりました。

そんな鳥越さんがリスキルを意識したのは、数年前、メインフレーム系システム開発を担当する30〜40代のエンジニアを対象にした社内ワークショップに参加し、今後、社内の開発がオープン系システム開発に移行していくという方針を聞き、危機感を感じたからでした。
「これまでの仕事のやり方に固執していては、自分のやりたいことができなくなると感じました。同じプロジェクトで働く若手社員は、新人研修でオープン系システム開発の研修を受けており、そうした若手と一緒に仕事していくうえで、自分も知識のアップデートが必要だと感じました」

実際、鳥越さんが開発を担当する損害保険の保険料を扱うシステムでは、AWS等のクラウドを用いた決済システムの開発が増えてきていました。
「例えば、保険料の決済において、電子マネーやスマホ決済などのデジタル決済システムのニーズが高まっており、それらを外部のシステムやサービスを用いてできるだけ早く構築する流れがあり、AWSなどを深く学ぶ必要性がありました」

加えて、鳥越さんは、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを推進していく際に、過去に経験してきたアプリ系開発領域だけではなく、インフラ部門の社員とミーティングする場面が増えていったと話します。
「他部門の社員との打ち合わせを円滑に進めていくうえで、インフラ構築に関わる用語や考え方についても体系的に学びたいと考えていました」

ただ、ミドル層以上になると技術的な社内研修は年々少なくなり、自身でスキルアップしていくことが求められていました。鳥越さんは、過去に損害保険に関する業務スキルをさらに理解する必要があると考え、東京海上日動火災保険への出向を希望し、契約推進部にて事務設計を担当した経験があるなど、学びへの意欲は強かったものの、今後のキャリア構築に役立つ勉強法を模索していたところでした。
「出向により業務スキルの理解が深まり、システム設計をする上でも非常に役立ったのですが、今度はITスキルをアップデートする必要があると感じました。書籍などで勉強もしていたのですが、最新の内容が反映されていなかったり、自分の学びへのモチベーションが高まらなかったりして、なかなか、勉強がはかどりませんでした。そんな折、社内でUdemy Businessの受講者を募集しており、すぐに希望を出して受講し始めました」

Udemy Businessを活用して
学び直しを開始

鳥越さんは、平日夜や休日に、Udemy Businessを活用してAWSの基礎を学び始めました。e-ラーニングという学習形態が学び直しに合っていたと話します。
「私のような中堅社員は、社内研修で基礎講座を受講しようにも、正直人目が気になります。しかし、Udemy Businessは、動画を1人で視聴すればよいですから、安心して一から学び直しができました。また、自分で濃淡つけて学習できる点もよかったです。例えば、AWSは、私は手を動かしながら学べる講座を受講し、詳しく構築方法を学ぶようにしました。一方、知識として知っておきたい用語や技術があれば、該当講座の必要なセクションだけをスマホでさっと視聴するなどしていました」

エンジニアとして20年以上のキャリアを持つ鳥越さんが学びを進めるのには、プロジェクトマネージャーとしてメンバーをうまくまとめていきたいという思いもあるからだと話します。
「自分の動かしているプロジェクトのほか、メンバーの抱える業務も把握し、つまずいていることがあれば手助けすることが求められます。しかし、どの業務でどのように困っているのか、自分が詳しく把握できなければ、改善案も示すことができません。そのためにも常に最新知識やスキルを補いたいという思いで学びを進めていました」

そうした学びの結果、鳥越さんは、2021年度、同社の社内表彰制度である「SHIFT Award」で、Udemy Businessを最も活用した「ベストまなびと」として表彰されました。同社では、2021年からの中期経営計画にて「SHIFT」をテーマに掲げており、東京海上グループのIT・デジタル戦略を支える中核会社として、発意を持って挑戦した社員を表彰しています。積極的に新しい領域や技術の習得にチャレンジしていることが表彰につながりましたが、この結果に鳥越さん自身が一番驚いたそうです。
「自身の危機感から勉強し始めましたが、学び始めると興味が広がり複数の講座を受講するようになり、結果的に受講時間が長くなってきただけで、そうした賞を頂けるとは思ってもみませんでした。今までは一人でこっそり勉強していたのですが、社内で表彰されたことをきっかけに、同僚や後輩にも『Udemy Businessでは、どの講座がおすすめですか』と話しかけられるようになりました」

社内での学び合いを加速させ
会社の成長につなげたい

鳥越さんの所属するビリングシステムデザイン部では、部内の学び合いにも力を入れています。2021年度は、情報セキュリティ、2022年度は、AWSをテーマに学んでいます。現在は、業務時間中に週3時間、AWSを学ぶ時間を設定しているそうです。
「個人で自由に学ぶのもよいですが、なかなかモチベーションが高まらないのも事実です。そこで、部内で話し合い、管理職から若手まで『金曜日の15時から1時間』などと時間を決め、集中的に学習するようにしました。ただ、社員のレベルは様々なため、自分のレベルに合ったAWSの講座を受講しています」
受講中はテレビ会議システムで参加者を繋ぎ、チャット欄に質問などを書き込めるようにしました。書き込まれた質問にはAWSの資格を取得した社員が応える形にして、学び合う体制が整えています。

鳥越さんの今後の目標の1つとして、プロジェクトマネージャーとして周りの人に良い影響を与えられるようになることを掲げています。
「自分から学んだことを共有するなどして、若手だけでなく幅広い層の社員が、学ぶことに前向きな風土が生まれてくればと考えています」

最後にリスキルに取り組むミドル層へのメッセージをもらいました。
「学びは自分のキャリアをつくるための土台だと考えています。若手の頃は過去に受けた研修や先輩から教えてもらった知識やスキルが土台となり、業務をこなすことができていましたが、ミドル層の社員はその土台を固め直す必要があると思います。今後も学びを続け、自分自身のキャリアに活かしていきたいです」